iCARE、バックテックが語る!担当者が健康経営を成功に導く方法とは?

    目次

    コスト削減の視点が大きかった「健康経営1.0」。そして、企業競争力につながる生産性向上や人材活性の視点へと進化した「健康経営2.0」。では、これから健康経営はどのような視点を持つ必要があるのでしょうか?

    株式会社OKANでは、この先の視点のヒントとなるオンラインイベント「健康経営2.0のその先へ -推進者たちが語る!成果を生み出す健康経営とは?-」を二日間にわたって開催。

    二日目の基調講演では、株式会社バックテック代表の福谷氏、株式会社iCARE代表の山田氏、そして株式会社OKAN代表の沢木の3者対談を実施。ソリューション提供側で健康経営に携わってきた3名が熱く議論しました。

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    登壇者紹介

    沢木:まず最初にお二方どのような事業を運営しているかご紹介をお願いします。

    山田氏:株式会社iCAREでは、健康労務を簡単にミスなく楽にしたいという思いから、「ケアリィ」というクラウドサービスを提供しています。導入いただくことで、健康診断、ストレスチェックや面談の管理など、様々な健康面での管理が一元化できるようになります。

    福谷氏:株式会社バックテックでは、いつでも気軽に国家資格保有のセラピストへ健康に関する相談ができる、「ポケットセラピスト」というサービスを提供しています。

    肩こり・腰痛などの身体的な問題の解決は、高ストレス者の減少や生産性向上、医療費の抑制へ役立ちます。

    健康経営とは「経営戦略に基づいた健康戦略」

    沢木:2社のサービスはいわゆる「健康経営」をサポートするサービスでもあります。ただ、健康経営と言っても様々なアプローチがありますよね。御社では、どのように定義されているのでしょうか?

    山田氏:iCAREでは、「経営戦略に基づいた健康戦略」、これを健康経営と定義しています。

    健康経営の大きな特徴は、すぐに結果や成果が出ないことです。1年で取り組みをやめてしまったという例をよく耳にします。これは非常に単発的です。長期的に取り組みことが必要で、そのためには、事業戦略から人事戦略に落とし込み、それに基づいて取り組むことが重要です。

    こういった価値観で取り組まない限り、大きな成果には繋がらないと思います。

    福谷氏:バックテックでは、健康経営を「事業戦略上から健康課題と健康戦略を導き出すこと」と定義しています。

    たとえば、弊社の導入企業様であるコニカミノルタ健康保険組合では、トップが人材配置などを工夫することでパフォーマンス向上を狙うのと同時に、個人のパフォーマンスをどう上げていくかを考えています。このように、経営課題を分解して色々な施策をやっているところが非常に理想的だと思っています。

    単なる健康施策に終わるのではなく、組織が持続的に成長するために、大きなところから分解して何をやるべきか、これが本当の健康経営なのではないでしょうか。

    社内でデータを取りまとめ課題を把握する

    沢木:2社とも事業戦略から落とし込むことが重要という視座をお持ちなんですね、では、健康戦略という形で取り組むことができている企業と、ただの健康施策になってしまっている企業の違いは、どのようなところで出るのでしょうか?

    福谷氏:ただの健康施策になっているのは、戦略を立てずに、単発で施策を行なっている所に多い気がします。たとえば健康増進に関する社内セミナーをやるにしても、その後の従業員の健康意識の変容・行動変容までを考えていくべきです。

    山田氏:福谷さんの単発施策に加えて、「データをしっかり捉えられているかどうか」で大きな差が出ると思っています。

    事業戦略・経営戦略に数値のない目標というのは無いので、経年的に健康経営へ取り組んでいる企業ではデータをもとに議論が取り交わされているはずです。たとえば喫煙率を下げたいとなった時に通常は「何%まで下げる」と目標をおきますよね。

    その一方、経営者の独断で、トップダウンで取り組むと人事も従業員も施策の目標が理解できず、単発の健康施策で終わってしまうことが多いです。

    健康施策と健康経営に差がでる大きなポイントは、、データと長期的な目線で取り組めているかどうかだと思います。

    沢木:戦略的で長期的に行うことは重要ですよね。そのために、経営陣が正しい意思を持って取り組むことが重要だと思います。担当者が健康経営を推進している企業が多いと思うのですが、経営層の理解を得るためにはどうすればいいでしょうか?

    山田氏:真っ先にやることは、会社と健康経営の担当者の方向性を擦り合わせて、違う方向に行っていないかを確認することです。その方向性を判断するために、組織内にある必要なデータが取れるかを確認するといいでしょう。

    データを取った上で自分なりに仮説を立てて、会社の向かっている方向に妨げになっている要因を見ていきます。そして経営層に対して、「経営課題の解決のためにこういう施策が必要です」とお話した方が理解を得られると思います。

    単なる「健康施策を行いましょう」と行っても、目先の投資対効果や予算の確保が課題となって、理解が得られないことが多くあります。まず担当者の視座を上げて、さまざなデータを参考に提案をしていくのは方法の一つですね。経営層が「健康課題は経営課題のリスク」と捉えられるかが重要です。

    福谷氏:データを取ることで、組織全体の状態を可視化することができますよね。問題を正確に把握することがまず大事。次に、それを経営層へ伝えることがやるべきことだと思います。

    あとは、現場でどんなことが起きているのかを伝えることも重要です。コロナ禍で働き方がどのように変わっているのかを、具体的な現場のエピソードを交えて事実を認識してもらうことも有効でしょう。

    つまり、データや現場で起こっていることなど、適切な方法を選びながら、担当者の中でまとめて、経営層へ上手く伝えることがポイントだと思います。

    沢木:データの重要性について、健康経営ではどんな指標を持って、データとして何が良くなったら成功と言えるのでしょうか?

    山田氏:データを積極的に取っている企業は少ないのは事実です。なぜかというと、データを取りに行くのはコストが非常にかかる領域だからです。

    でもデータは存在します。たとえばCarely(ケアリー)を導入すると、法律を遵守するための健康情報を自動的に蓄積させていくことができます。このように、分散しているデータを整理できるようなシステムを導入することも手だと思います。

    福谷氏:あとは、データを取得した次に、データの解釈を間違えている企業が多いと感じます。

    統計分析やデータをみる習慣がある専門家から協力を得ることも、次のフェーズとして必要なのではないでしょうか。

    コロナ禍における健康経営の変化

    沢木:コロナの流行という環境下で、健康経営の変化はありますか?施策上でも、考える上でも何かあれば教えてください。

    福谷氏:テレワークがほぼ強制的に、急激に始まったという影響もあり、肩こりや目の疲れなどの「不定愁訴※」が多くなっています。iCAREさんが出したプレスリリースを見ても分かるように、新たな健康課題が発生しています。

    ※倦怠感、頭痛、微熱感、不眠などの名に何となく体調が割との自覚症状があるものの、検査をしても原因となる病気がわからない状態のこと。

    また、健康経営に関して、集合型の研修を実施してきた企業はほぼ全ての集合型の施策がストップになっている状態です。つまり、多くの企業が何をやるか打ち手に困っていると思います。

    山田氏:コロナ禍を経て変わっている点でいえば、今まで人事関連の施策で重要視されていた「平等性」という価値観は終わったということではないでしょうか。

    組織の中でセグメントとターゲットを明確に分けていって、ターゲットごとに施策を調整していくことが求められていると思います。たとえば、健康上ハイリスクの群に対して、優先的に適切なサービスを提供する、などです。

    組織全体に対して全てを提供する、ということはもはや通用しない時代に入ったと感じています。

    沢木:健康経営に担当者がいないため、なかなか進められないという声があります。はじめの一歩は何をすべきでしょうか?

    福谷氏:まずは法令遵守を固めることが大前提です。上辺だけの施策をやるのではなく、健康診断をしっかり受ける、ストレスチェックをするなど、ベースを固めていきましょう。

    あとは、今は情報収集をオンラインセミナーなどで手軽にできますし、とりあえず基礎知識をつけて、そこから専門知識を持っているところへ相談することが一歩目かなと思っています。

    山田氏:健康経営というと、大がかりなイメージを持たれている方も多いです。しかし、産業保健など、従業員の健康に関するもの全てを健康経営といえると思います。第一歩はすでに目の前にあるのだという感覚で取り組んでみて下さい。

    あとはデータが大きな力になります。担当者が経営者に説得できる唯一の方法はデータですので、いかにデータを簡単に集めて活用していくのかを検討していくといいと思います。その活用の仕方に関しては、それぞれの専門家がいますので相談してみてはいかがでしょうか。

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