企業の業績向上にも直結するエンプロイー・エクスペリエンスを解説!事例・サービス紹介

    「エンプロイー・エクスペリエンス」って言葉、最近HR界隈のあちこちで聞くようになったけど、いったいどんなものなのなのでしょうか

    この記事は、最近日本のHR界隈でも、あちらこちらで聞かれるようになったエンプロイー・エクスペリエンスについて理解し、その考え方を活かすための記事です。エンプロイー・エクスペリエンスという言葉が生まれたのはアメリカですが、日本でも注目されるようになったのは、労働人口減少・中途市場の激化などがその背景にあります。

    本記事を読むことによって、企業の生産性向上・働き方改革・企業の内外からの魅力アップするヒントを見つけ、人事・労務・総務担当としてレベルを一段アップさせましょう!

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    エンプロイー・エクスペリエンスとは

    エンプロイー・エクスペリエンスとは、従業員が働くことを通じて得られる体験のことです。従業員が企業に入社してから体験するであろう事柄や社内制度、ルール、文化などといったものに対し、企業はその体験を意図的に設計し、従業員の満足度を高める努力が必要なのです。

    エンプロイー・エクスペリエンスの概念自体は当初アメリカからスタートしたものですが、日本でも徐々に浸透してきています。

    しかし、単に言葉だけ知っていても意味がなく、入社してきた新入社員がどのような体験をしたら気持ちが良いのか、どのような施策と工夫を取り入れたらもっと自分の会社を好きになってもらえるのか、そういったことを徹底して考え、実行しなければなりません。その考える部分の重要な役割を担うのが、経営者であり、総務や人事、労務担当者なのです。

    福利厚生サービス等を活用することはもちろんのこと、従業員体験も視野に入れて制度を設計することができれば、より効果的な人材定着が見込めるでしょう。

    エンプロイー・エクスペリエンスにより得られる効果

    エンプロイー・エクスペリエンスは従業員の体験という意味であり、労働環境やキャリア形成、健康面を包括した考え方です。つまり、エンプロイー・エクスペリエンスの質を向上させることが、さまざまな場面での満足度を高めることにつながるということです。

    生産性向上だけでなく、従業員のモチベーションアップも期待できます。従業員が自身のキャリア形成に満足できれば離職率も低下し、ひいては企業の成長にもつながるでしょう。

    エンプロイー・エクスペリエンスが注目される背景

    エンプロイー・エクスペリエンスという言葉自体はアメリカからスタートした考え方です。UX(ユーザー・エクスペリエンス)やCX(カスタマー・エクスペリエンス)など、エクスペリエンス(体験)を元にした、サービス・プロダクト設計から生まれたものと考えられます。

    このエンプロイー・エクスペリエンスが日本にも入ってきて、注目されている背景は冒頭申し上げた通り、超高齢化社会の中で、労働人口が減少していること。そして、中途市場の活発化により、働く人、もしくは雇用する企業サイドの考え方が変わっていかなければならないタイミングにきているからではないかと思います。グローバル化などもあり、様々なバックグラウンドを持った人が、多様な働き化ができる取り組みが必要になってきています。日本国としても働き方改革や、それに紐づく健康経営に取り組んでいます。

    これが、エンプロイー・エクスペリエンスが注目される背景であると考えています。

    エンプロイー・エクスペリエンスが注目を集め始めたのは2015年頃。その後、人事系の部署名をエンプロイー・エクスペリエンスと変更した海外企業もあり、世界的に認知されるようになりました。

    日本でのエンプロイー・エクスペリエンスという言葉自体の認知度は決して高くありません。しかし、従業員の体験を人事部門の重要課題として挙げる企業は多く、エンプロイー・エクスペリエンスの考え方は徐々に浸透しつつあるといえます。

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    エンプロイー・エクスペリエンスの2つの要因

    どのようにすれば、この概念的な考え方であるエンプロイー・エクスペリエンスを向上させられるのか? その答えを求める上で、私たちはエンプロイー・エクスペリエンスについてこのように考えております。

    私たちはエンプロイー・エクスペリエンスには「モチベーター(動機付け要因)」と「ハイジーンファクター(衛生要因)」の2つの視点が必要だと考えています。これは、アメリカの臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグも提唱している理論でもあります。

    エンプロイー・エクスペリエンスを、従業員満足度や従業員エンゲージメントといった指標を包括するものだという見方をされている方も多いですが、このように考えると良いでしょう。

    では「モチベーター(動機付け要因)」、「ハイジーンファクター(衛生要因)」とはそれぞれどのようなものなのか見ていきましょう。

    モチベーター(動機付け要因)とは

    モチベーター(動機付け要因)とは、言い換えるなら、従業員にとっての働きがい要因です。達成・承認・責任・昇進、成長など。つまり、やりがいやモチベーションによって高まるモノです。モチベーター(動機付け要因)を高められれば、エンプロイー・エクスペリエンスは向上します。

    世の中を見渡した時に、この動機付け要因を向上させようとするアプローチが、最近増えています。しかし、エンプロイー・エクスペリエンスを最大化するために必要なもう一つの要因・アプローチがハイジーンファクター(衛生要因)なのです。

    ハイジーンファクター(衛生要因)とは

    エンプロイー・エクスペリエンスを向上させるためのもう一つの要因は、ハイジーンファクター(衛生要因)です。言い換えるなら、安心して働き続けられるための要因。労働条件・給与・働く環境・上司や同僚との関係・プライベートでとの両立など。働きがいと働きやすさの言葉の意味は違いますよね? 働きがいがあっても働きやすくない職場はあるでしょうし、一方で、働きやすい環境であっても、働きがいのない職場もありそうです。

    動機付け要因だけ良ければ会社が正しく成長していけるか、エンプロイー・エクスペリエンスが最大化できるかというと、前提として重要なハイジーンファクター(衛生要因)が良くなっていかないといけません。

    日本国が推し進めている働き方改革・健康経営を実際に推進していくのは、総務・労務・人事・管理部の方々に関連性が高いのですが、こういった方々が担っているのは、動機付け要因ではなく、ハイジーンファクター(衛生要因)だと考えられます。

    働きがいと働きやすさの両方が備わってはじめて、エンプロイー・エクスペリエンスは最大化するということを覚えておいて頂けたら幸いです。

    【関連】働きやすさとは? 働きがい との違いや、指標について解説します

    エンプロイー・エクスペリエンスを高める方法

    エンプロイー・エクスペリエンスを高めるために重要なのは、企業の立場ではなく従業員の立場で考えることです。従業員にどのような人材になって欲しいかではなく、従業員がどのような経験をしてどのような感情を持つのかを考えながら、まずはエンプロイー・ジャーニー・マップを作りましょう。

    エンプロイー・ジャーニー・マップは入社から退社までの流れを示した地図のようなものです。その地図に沿って、エンプロイー・エクスペリエンスの向上につながる施策を考えましょう。

    従業員サーベイという従業員を対象にしたアンケートを実施するのも有効です。従業員意識や従業員満足度などを調査し、満足度を高めるための施策や改善案を見つけ出しましょう。従業員の健康増進につながる心身ともにストレスのない労働環境や、従業員同士でコミュニケーションを取りやすいオフィス作りも大切です。風通しが良く働きやすいオフィスを目指して、環境改善に取り組みましょう。従業員ファーストの環境整備や従業員サーベイを基にした施策は、従業員エンゲージメントの向上につながります。

    従業員エンゲージメントの向上という観点では、従業員の希望に合った業務内容かどうかも重要です。従業員が働きがいやモチベーションを見失うことのない人事を心掛けましょう。キャリア形成やスキルアップのために、社員教育や福利厚生を充実させることもエンプロイー・エクスペリエンスの向上につながります。

    エンプロイー・エクスペリエンスの事例、取り組み

    エンプロイー・エクスペリエンスについてさらに具体的に見ていくために、エンプロイー・エクスペリエンスに取り組む会社の事例や取り組みについて見ていきたいと思います。

    Airbnb

    エンプロイー・エクスペリエンスの取り組みは、民泊のマッチングサイト・アプリとしてよく知られている「Airbnb」がとても有名です。その理由は、同社には人事(エンプロイー・エクスペリエンス)という職種が存在し、従業員の体験向上に向け最高の職場環境を提供しているからです。

    社員の面倒をいろいろと見る部署です。ヘルシーでおいしい社食の献立を組むのも仕事。最新テクノロジーを揃えてやるのも仕事。ベスト&ブライテスト(超一流)な人材を引き抜くのも仕事。社屋が最高の職場環境になるよう手配するのも仕事。社員エクスペリエンスチームはAirbnbの面倒をまるごと見る総務部です。会社の健康と幸せの向上のために日夜働いてるんですが、これが結構楽しいのです。

    引用:人事(エンプロイー・エクスペリエンス)担当チーム| Airbnb

    Employee Experience Summit|株式会社OKAN

    おかんの給湯室を運営する株式会社OKANでは、エンプロイー・エクスペリエンスの考え方を日本で広めるため、2018年3月7日(水)に経営者と総務・労務・人事担当者が集う日本最大級のカンファレンスイベント<Employee Experience Summit> (エンプロイー・エクスペリエンス・サミット / 通称EX Summit)を主催しました。

    このサミットでは、エンプロイー・エクスペリエンスという考え方を経営に取り入れている経営者や、エンプロイー・エクスペリエンスに関する先進的な取り組みをされている総務・労務・人事担当者から、その考えや取り組みを共有すると共に、参加する経営者と総務・労務・人事担当者が意見交換の機会を創ることを通して、企業や担当者の明日からのアクションが少しでも変化することを目指し、開催されました。

    下記にEX Summitに登壇された方々のインタビューの一部を掲載します。

    Employee Experience Summit登壇者インタビュー

    経営戦略から見たオフィス移転プロジェクト

    ライフプラン設計こそガイアックスの根幹。上田社長が語る独特の社内制度と出社しがいのある場所づくり

    成長し続ける SmartHR 。事業にもメリットがあるから従業員の働く環境に仕掛けを作る

    幸福働 実現への取組こそが<働き方改革>。元スクエニ 岡田 大士郎氏が考える場創りで総務も意識改革を!

    不安とストレスを取り除くだけでうまくいく。北欧スタイルと経験が組み合わさったクラシコムの独自の働き方

    経済産業省 藤岡氏が見据えるこれからの<働き方改革>とは

    ビジネス構造の変革が起きている。デロイトがエンプロイー・エクスペリエンスに着目する理由

    エンプロイー・エクスペリエンスを向上させるサービス

    最後に、エンプロイー・エクスペリエンスを向上させるサービスをいくつかご紹介したいと思います。

    従業員の健康状態や組織としての一体感など、社員が会社生活の中で経験する、全ての印象や影響を包括して考えるエンプロイー・エクスペリエンスを考えた時に、世の中にあるサービスの活用は非常に効果があると考えます。

    エンプロイー・エクスペリエンスには「モチベーター(動機付け要因)」と「ハイジーンファクター(衛生要因)」の2つが必要でした。それぞれに分けてサービスを紹介したいと思います。

    モチベーター(動機付け要因)向上のためのサービス

    まずはモチベーター(動機付け)向上のためのサービスを紹介します。

    Unipos(ユニポス)|Unipos株式会社

    Unipos株式会社が提供するUnipos(ユニポス)は、「ピアボーナス」を簡単に実現するサービスです。 ピアボーナス 」とは、従来の給与制度ではカバーできない日々の貢献に支払われる「第 3 の給与」のことです。バリューに沿った行動をとったその瞬間に、オープンな場で同僚から感謝のメッセージと少額のボーナスを受け取ることができます。ピアボーナスがもたらす嬉しさの伴った新しい給与体験が、組織を強くしてくれるというわけです。

    Uniposが目指すところの一つもエンプロイー・エクスペリエンスの向上です。動機付け要因を高めるためのサービスの一つとなるのではないかと思います。

    【参照】共に働く仲間と送り合う新しい成果給 Unipos

    【関連】Unipos で注目!新しい報酬『ピアボーナス』の注目サービス・ツールを紹介/おかんの給湯室

    アドバンテッジwevox|株式会社アドバンテッジ リスク マネジメント&株式会社アトラエ

    最近では、従業員エンゲージメントの重要性が企業にも浸透してきており、従業員エンゲージメントをリサーチするツールがたくさん出ています。その一つが、先日おかんの給湯室でもご紹介した「アドバンテッジwevox(ウィボックス)」。

    同サービスは、株式会社アドバンテッジ リスク マネジメントが、組織改善ツール「wevox(ウィボックス)」を提供する株式会社アトラエと提携し、同ツールにアドバンテッジ社のサポートを付与した組織改善プラットフォームです。これにより、部下のエンゲージメント状況を短サイクルで定量的に把握できるということです。

    エンプロイー・エクスペリエンスは従業員エンゲージメントを包括する考え方なので、このような従業員エンゲージメントの向上を目的としたサービスはエンプロイー・エクスペリエンスの向上サポートともなり、同サービスは特に動機付け要因を高めるためのサービスの一つとなるのではないかと思います。

    【参照】従業員エンゲージメントを把握して組織改善へ!最新プラットフォームが遂にリリース

    ハイジーンファクター(衛生要因)向上のためのサービス

    続いてハイジーンファクター(衛生要因)向上のためのサービスを紹介します。

    「働き方」から考える最良のオフィス移転|株式会社ヒトカラメディア

    株式会社ヒトカラメディアは、「働く場」と「働き方」からいきいきとした組織と個人を増やすをビジョンに掲げ、多くの成長企業のオフィス移転の支援をしている会社です。同社は以前、おかんの給湯室に「働きやすい職場づくりの極意」などの企画で登場頂きました。

    ビジョンにもある通り、オフィス移転を通じて、「働く場」や「働き方」について考え、「ただのオフィス移転」を「会社の成長の好機」に変える、を自分たちの提供価値と捉えていらっしゃいます。

    オフィス移転のやり方ひとつで、会社は変わるし、そこに集う人の働き方も変わる。ヒトカラメディアは企業の事業・組織・メンバーにインパクトを与えるサービスを提供していらっしゃるのです。

    ヒトカラメディアが目指すところの一つはエンプロイー・エクスペリエンスの向上だといえます。衛生要因を高めるためのサービスの一つとなるのではないかと思います。

    【参照】「働き方」から考える最良のオフィス移転||株式会社ひとヒトカラメディア

    お惣菜自動販売機|オフィスおかん

    食の福利厚生の中で、最も注目を集めているものの一つである「オフィス自販機」。オフィス自販機はその利用の手軽さなどから、今人気の福利厚生サービスの一つです。

    オフィスおかんは、新しい食の福利厚生サービスとして注目を集めています。

    冷蔵庫や専用の自動販売機を設置し、健康的で安心・安全な美味しいお惣菜を24時間いつでも1品100円で食べることができる全国対応の置くだけ社食サービス。提供するお惣菜は、管理栄養士が監修し、全国各地の季節の食材を使いながら、働く人たちの健康に配慮して作られています。

    食のサポートだけにとどまらず、「健康経営」「従業員の満足度向上」「社内コミュニケーション活性化」「オフィス環境改善」「女性活躍支援」「人材定着」「新卒・中途採用促進」など、企業が抱えている多くの課題を解決する新しいアプローチのツールとして業種・規模問わず多くの企業で活用されています。

    また、新型コロナウイルスの流行下においては、感染リスクを避けるために、外出せずにいつでも食事を社内で提供する目的での導入も増えています。

    オフィスおかんの概要を知りたい方は下記の記事をチェック! オフィスおかんの評判・料金・提供エリアは?導入事例や効果を徹底解説

    オフィスおかんをもっと知る!

    人気福利厚生トップ20!従業員が本当に求める福利厚生集

    衛生要因を向上させるためのサービスとは、つまるところ福利厚生サービスです。以前、リリースした「人気福利厚生トップ 20 !従業員が本当に求める福利厚生集」の記事がきっとあなたの参考になるはずです。衛生要因の向上をまず先に考えられるなら、ぜひこちらの記事を参考にしてみてください。

    参考:人気福利厚生トップ 20 !従業員が本当に求める福利厚生集

    まとめ

    冒頭お伝えした通り、現在日本では労働人口減少、中途市場の活発化、働き方改革などがあり、人事・労務・総務の方々の活躍がとても期待され、注目されています。

    あなたの会社での取り組みが、本質的な働き方改革となるよう、本記事の事例や取り組み、サービス等を参考に、ぜひ一歩踏み出してみてください。

    本記事が、あなたとあなたの会社で働く従業員、そして、企業で働く全ての人のライフスタイルが豊かになるように、お役に立てば幸いです。

    関連記事:エンプロイーエクスペリエンスを徹底解説!導入のポイントや注意点を紹介

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