コロナ禍で潜む”離職予備軍” 。半年後に顕在化の可能性の調査が発表

    目次

    株式会社OKANでは、全国の20~50代の働く男女3,760名を対象に“withコロナで変化する「働くこと」に関する調査”を実施しました。

    緊急事態宣言発令から半年を経て、働く人々の価値観の変化が見られた「健康状態」「オフィスの必要性」「人材定着」「企業との関係性」のテーマについて、全4回にわたって紹介します。

    3回目のテーマは「人材定着」です。

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    withコロナで変化する人材定着に関する調査詳細

    コロナ禍における離職・離職検討状況について

    最近自社で離職が増えたと感じるか否かの質問に対して、全体の約31.5%が「増えた」と回答。約3人に1人がコロナ禍において自社の離職者が増加したと実感していることが分かった。

    自粛期間を経て自身の今後の働き方やキャリアについて見つめ直す時間が増えたことにより、自社では実現が難しいリモート勤務や副業などの新しいキャリアを模索して転職に至った人が多いと考えられる。

    自社は安心して働き続けられるか」という質問に対し、「いいえ」の回答は58.0%と2019年8月の調査時と比較して13.2%増加した。

    コロナ禍における働き方や働く場所の変化、業績悪化でのコストカットなどの企業対応を受け、会社への不満や将来に対する不安を感じている人が昨年に比べて増加していると読み取れる。

    離職に至るまでの意識・行動の変化について

    離職あるいは離職を考えた理由について、全体の約半数が「人間関係」と回答した。次いで「健康面」、「職場環境」が離職検討の引き金となっていることが明らかになった。

    政府が昨年末に育児・介護休業法を改正し仕事と育児の両立を政策で支援するものの、離職・離職検討理由の全体の約2割が出産・育児、介護が原因となっている。

    介護については”団塊の世代”が後期高齢者(75歳)の年齢に達する2025年以降、介護を原因とした離職が増加する可能性が高いと考えられる。

    前述[図2]の離職理由について、約2人に1人が離職時に本音を伝えていないことが明らかになった。

    全体の約6割が企業に伝える半年以上前から離職を検討していることがわかった。また離職決定までの期間、社内の誰にも相談をしないケース、離職を切り出した際に初めて企業が知るケースが過半数を超える結果になった。約半年後に現在離職を検討している「離職予備軍」が、本音を伝えないまま誰にも相談せず突如離職することが懸念される。

    離職と「個人の価値観」 について

    離職経験者に企業の対応や環境について「なにがあれば離職を思いとどまったか」質問したところ、上司や人事・総務担当 者など社内で相談しやすい環境があればそれぞれ約3割が離職を思いとどまる理由になりうると回答した。

    社内アンケートや調査でのヒアリングなど、定期的な従業員へのヒアリング実施なども約2割の離職を未然に防ぐ可能性が あることが明らかになった。

    退職を伝えた際の引き止めに関しては 16.6%となり、退職を伝えるタイミングでは次の転職先などを既に決定しているなど が理由で効力が低いと考えられる。

    前述の[図5]で過半数が社内への相談を全く実施しないまま退職しているように、退職意思を伝えるまでの段階で普段から周囲に相談環境があるかどうか、社内で定期的に従業員へ不満をヒアリングの実施ができているかどうかが重要な鍵となると 考えられる。リテンション施策は一時的なものではなく、継続的かつ定期的に実施していく必要がある。

    調査結果を踏まえた全体考察

    本調査は、コロナ禍における働く人々の価値観の変化について実態を調査し必要な支援を明確にすることで、企業の意識・行動の変容を促進することを目的に実施いたしました。

    新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、多くの企業が深刻な打撃を受けました。業績悪化により、会社存続の為にコスト削減 が必至となり従業員への給与削減やボーナスの支給停止などの対応決定の報道が相次いでいます。このことから、これまで離 職を検討していなかった従業員が会社への不満や将来に対する不安を感じ、今後の自身の働き方やキャリアを見直し始めているようです。

    離職時の行動について、[図4]より2人に1人の割合で社内の誰にも相談せず、また本音を伝えないまま退職していることが明らかとなっています。企業側は離職の本質的な原因の把握できないまま、次々と離職が発生し人材不足・採用困難と悪循 環が生じることも考えられるでしょう。従業員が離職した場合、後任の採用・育成のコストなどの金額面のみならず、知識の損失、人の離脱によるチームの生産性低下など、離職による企業経営へのマイナス影響は計り知れません。このような状況下だからこそ、企業は従業員が安心して働き続けられるような”適切な”定着・活躍の支援、「リテンションマネジメント」を実施してい くことが急務となっています。

    離職理由における調査[図3]の質問項目について、人材定着のための組織改善サービス『ハイジ』における従業員アンケートと同様の項目を採用しています。この項目は、日本大学経済学部准教授の櫻井氏との共同調査を受け、人材定着に関わる15要素を原因指標として反映したものです。

    この質問項目への回答より、従業員としては「健康」「私 生活との両立」「同僚や上司との人間関係」など、”不満足”の状態が離職の原因となる要素「ハイジーンファクター」を優先して いることがわかります。また離職理由は個人の働く上で大切にしている価値観と深く結びついていることも明らかとなりました。コロ ナ禍において働き方が一層多様化する昨今、仕事・社会(家庭)・個人を取りまく価値観は多岐に渡り、人によって欲求の順 位や、欲求の中で重視する要素は異なります。また個人においてもその時々の状況によってこの順位は変化します。リテンション マネジメントを実施するためには、このような従業員が大切にしたいと思う価値観『ワーク・ライフ・バリュー・(WLV)』を理解 し、企業として大切にしたい価値観に合致したものに投資をしていく必要性があるといえます。

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