投資家も注目!「健康経営銘柄」を目指して企業価値を高める

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    近年、投資家等のステークホルダーが企業の価値を見る判断材料が多岐に渡ってきています。そのひとつに、経済産業省が推し進める「健康経営」を目に見える形で表した「健康経営銘柄」があります。

    従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することによって、従業員の活力向上や生産性の向上ひいては組織自体の活性化へとつながります。従来の考え方では健康管理をコストとして捉えがちでしたが、実は投資であると位置づけ、企業としてのリターンを求めるという考え方に移行されつつあります。

    「健康経営銘柄」や「健康経営優良法人」に認定されると、投資家からの評価が高まる・メディアへの露出が増える・優良な人材の確保につながるなど多くのメリットが生まれるので、これからの企業の新しい成長戦略のひとつとして捉えることが必要になってきます。

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    健康経営銘柄とは

    2014年から経済産業省と東京証券取引所が共同で実施するもので、健康経営に戦略的に取り組む企業を、東京証券取引所の上場企業33業種から、各業種につき1社ずつ選定されます。従業員の健康課題について個人任せにせず、企業が能動的に取り組み解決することが求められ、その環境整備について評価がされます。

    こうした取り組みによって、従業員の健康力があがるだけではなく、企業の業績や企業価値を高めることにもつながるということを目的としています。

    健康経営優良法人との違い

    「健康経営優良法人」とは、健康経営に取り組む企業の「みえる化」をさらに進めていくため、日本経済団体連合会・日本商工会議所等から構成される「日本健康会議」によって作られる認定制度です。健康経営銘柄の認定基準は東京証券取引所に上場している企業であることが条件ですが、健康経営優良法人は、上場企業に限られていません。

    また、選定企業の数が20数社と少ない「健康経営銘柄」とは違い、300社以上が認定されており、比較的取得が目指しやすいと言えます。

    健康経営銘柄の選定基準

    経済産業省は企業の健康経営度を見るときに、以下の4つを主に見ています。

    ・経営理念・方針
    ・組織体制
    ・制度・施策実行
    ・評価・改善

    基本的には加点方式で、これらの基準について社会的な状況を考慮した重み付けがなされています。上記の4点が順に3:2:3:2のウエイトで評価されます。そして、これに加えて「法令順守・リスクマネジメント」の状況も可否で判定されます。


    経済産業省 健康経営銘柄 資料より

    まずは、経営理念の元、企業として健康経営に取り組むことを戦略的に捉えビジョンを明確化し、その実施方法を細部に渡って計画的に練ることが必要になってきます。

    実際の健康経営銘柄のパフォーマンス

    「健康経営銘柄2017」に選ばれた24社の株価を参考にして、「健康経営銘柄」が公表され始めた2015年から2017年10月末までの騰落率(株価パフォーマンス)を日経平均・TOPIXの主要指数と比較してみます。すると、日経平均・TOPIXの平均騰落率が26.2%であるのに対し、24社の平均騰落率は28.3%となり2.3%高くなっています。

    株価パフォーマンスでは日経平均を下回っていますが、2年という短期の数字なので参考程度にするのがいいでしょう。特に健康経営が目指しているのはより長く働ける環境づくりや経営のあり方なので、長期的に見たとき真価をはっきすると言えるかもしれません。また、企業が「健康経営銘柄」認定を目指し、企業としての結果を出そうとしている姿勢は、従業員のみならず投資家やこれから就職を考える就活生にとってもいいアピールになっています。

    健康経営の取り組み事例

    健康経営を目指し、社員の健康増進に取り組む企業59社(2018年6/1時点)で運営されている【KENKO企業会】というものがあります。ここでは、会員企業がボランティアベースで集まり、各々の健康管理プログラム・ノウハウを共有し、新しいアイデアを出し合うなど、相互のベンチマーキングを通じてレベルアップを図ることを目的とされています。

    2018年6月から92日間かけて行われたウォーキング大会では、期間中、ウォーキングアプリを利用して平均歩数が多い企業が勝利というイベントも行われました。健康経営のための具体的な取り組みについては、スマホと連動した無料アプリやトレーニングジムとの連携など、身近なところから始めるのも良いでしょう。また、定期健康診断の100%実施や、従業員のストレスチェックなど法的に要求される事項を確実に実施していくことも大切です。

    健康経営で一石二鳥

    企業は人材を大切な経営基盤と捉えることが大切です。「健康に対する投資」と聞くと大企業の話と思うかもしれませんが、実際は中小企業ほど従業員一人が不健康となった際に、企業自身がうけるダメージが大きくのしかかってきます。仕事上のストレスや、慢性疲労、やりがいのない職場は、従業員の離職率を高めることに直結し、ブラック企業などと言われてしまうことになりかねません。

    まずは、従業員の満足度と真剣に向き合う小さな姿勢が、企業イメージを高め、良い人材を集めるという良いサイクルが生まれてくるでしょう。遠回りにさえ見える健康経営は、今や官民が一体となって取り組む成長戦略の一つで、企業の将来を担う大きな役割となってきています。そのことをしっかりと意識して、従業員がより働きやすいと感じることができる環境づくりをしていきましょう。

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