「食」にフォーカスした健康経営は、従業員だけでなく企業にも何らかのメリットをもたらすといわれています。こちらの記事では、企業側が食事をサポートする意義と、企業単位でできる取り組みを中心に解説していきましょう。
健康経営とは?
健康経営とは、企業側が全従業員の健康を経営的な視点から捉え、それを戦略的に実践(=行動)することです。従業員の健康を目的とした投資をすることは、生産性やモチベーションの向上をもたらし、その積み重ねがやがて企業全体としての業績向上およびイメージアップにもつながります。
また、社会全体でメンタルヘルスがクローズアップされている今日、健康経営の取り組みは、人材の流出(=離職者)を抑えられる効果もあるといわれており、企業側としても自社のため、そして従業員のためにも健康経営の見直しや本格導入を考えなくてはなりません。
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健康経営に取り組む企業は年々増加している
経済産業省は、2016年より健康経営に積極的な優良法人を可視化する目的として、「
健康経営優良法人認定制度
」をスタートさせ、認定企業を公表し、今に至っています。以下のグラフでもわかるとおり、企業の規模に関係なく、健康経営に取り組む企業が年々増えています。
出典:
健康経営の推進について 令和4年6月経済産業省ヘルスケア産業課
「食」にフォーカスした健康経営を行う意義
健康経営を「食」にフォーカスして行う意義は、主に以下の3つです。
①従業員の健康づくりにつながる
昔から「命は食にあり」「食は命の源」といわれています。「食」にフォーカスして健康経営を行うということは、従業員の健康づくりにつながり、持続可能な会社経営を叶えられることでしょう。
②労働生産性が向上する
「食」を通じた健康経営は、食事面が改善する見込みがあります。従業員が健康体になって、仕事の生産性も前よりも向上するという期待感もあるかもしれません。
③取り組むことで結果に直結する領域である
健康経営は長く取り組むことで、目に見える効果がわかってきます。数ヶ月のみの実施では結果がわかりませんが、中長期的に取り組むと、従業員の生産性が上がり、それがやがて企業の繁栄にも結びつきます。
「食」に関する健康経営成功のポイント
「食」に関する健康経営を導入し、成功させるなら、知っておきたいポイントがあります。詳しくは次の4つです。
①事前の社内アンケートを実施する
「食」の健康経営を軌道に乗せたいなら、従業員がどのような食生活をしているか、「食」という広義の範囲のなかで、どのようなものを求めているか……などの情報が必要です。社内でオンラインアンケートを実施し、集計や分析をすると、「ニーズ」が明確に見えてきます。社内の一人暮らしが多いという場合、栄養が偏りがちになるケースも少なくないので、社内アンケートの内容を掘り下げた内容にしておきましょう。
②社内全体で現在の課題を共有する
健康経営にまつわる課題を見つけ、それを社内で共有することは、何が足りてて、何が不足しているかを客観的に考えられます。例えば、「オフィスの周りに栄養バランスが取れたお弁当がない」といった課題が洗い出されるかもしれません。ほかにも新たなアイデアが生まれることもあり、健康経営の方向性が具体化されることでしょう。
③役員が検討の機会を設ける
「食」にまつわる健康経営は、全従業員が絡むことです。最終決定権を持つ役員にも検討の機会を設け、どのようなものが望ましいかをヒアリングをしておきましょう。
④導入後の社内アンケートを実施する
「食」にまつわる健康経営は、導入したら「終わり」というわけではありません。サービスを導入して良い点や改善点を中心にオンラインで社内アンケートを必ずしておきましょう。そのサービスがニーズとマッチしているかどうか把握できます。
企業でできる「食」にこだわった具体的取り組み
「食」にこだわる具体的な取り組みの例として、次の7つが挙げられます。
社員食堂
社員食堂をオフィス内に設置すると、食生活が乱れがちな従業員が栄養バランスの良い食事を意識するようになるなど、何らかの有益な効果をもたらします。日替わりや週替わり、季節モノでメニューを少しアレンジすると、喜ばれることでしょう。
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配達サービス
食事配送サービスはコロナ禍ですっかり定番となりました。オフィス向けとして、事前に食事を頼み、お昼にデリバリースタッフが届けるサービスがあります。デリバリーだけでなく、スタッフが販売するサービスなどがあります。
置型社食® / 設置型サービス
オフィスの空きスペースに、食事系の自販機やおかずなどが入った専用のボックスおよび冷蔵庫を置き、従業員が好みのメニューを選んで利用するサービスもあります。
置型社食®の「
」は、健康的で美味しいお惣菜をオフィスでいつでも食べられるサービスです。管理栄養士監修のオリジナルメニューをオフィスにお届け、従業員は好きな時に専用の冷蔵庫から取り出して利用することができるため、健康経営における食の改善施策として重宝されています。
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食育セミナーの開催
食育セミナーを開催すると、「食」と「健康」を深く考える従業員が増える見込みがあります。ただし、セミナーの開催を単発もしくは一度きりになってしまうと、従業員のビフォーアフターがみえにくいので、セミナーを導入するなら数ヶ月に1回など定期的な開催にした方が良いでしょう。
食の専門家の相談窓口を設置
栄養を考えた食事が必要だと頭の片隅にあるものの、栄養バランスが良くない食事をするという従業員もなかにはいます。やはり偏った栄養バランスだと、遅かれ早かれ体調を崩すかもしれません。それを防ぐためには、食の専門家が対応する相談窓口を設置するのも一つの手です。
部署をまたいだシャッフルランチの実施
ランチの場合、同じチームや同期など、一緒に食べる相手もある程度決まってしまうかもしれません。やはり社内の風土を良くし、かつコミュニケーションを円滑にするなら、たまに部署をまたいだシャッフルランチの実施をおすすめします。シャッフルランチの実施で社内の縦と横のつながりが良くなったという声もあります。
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リモートランチの実施
コロナ以降、ワークスタイルがリモートになったという人も一定数います。社内でオフィスワークがメインという従業員がいるなら、定期的にリモートランチを企画と実施するのも良いでしょう。リモートワーカー向けの食事サービスも展開しているので、要チェックです。
「食」の健康経営は従業員満足度の近道、現状を把握し導入や見直しを行おう
今回は、健康経営を「食」の視点から、従業員の食事サポートをする意義や企業単位でできる取り組みにフォーカスをあてて解説しました。
仕事の生産性を上げるポイントは、心身ともに健康であることに尽きます。その手段の一つとして、普段から栄養バランスが取れた食事をすることが必要不可欠です。企業が健康経営に注力すれば、やがて企業全体の成果にもつながり、社外からの評価も高くなるなどのメリットをもたらします。
「食」で健康経営を図るなら、まずは従業員のリアルな声に耳を傾け、どのような健康経営が必要か見極めていきましょう。
