最近さまざまな企業が意識するようになったSDGs。そのSDGsのバッジがあることをご存知でしょうか。
ビジネスパーソンやメディアに出ている著名人の襟元を注意深く見てみると、カラフルな円形のピンバッジがついている方がいることに気がつくでしょう。それがSDGsバッジです。
この記事ではSDGsバッジをつける意味やメリットは何なのか、正規品の基準やSDGsバッジはどこで買えるのかについて解説します。
まずはSDGsをおさらいしよう
出典:外務省
SDGsとは、持続可能な開発目標(Stustainable Development Goals)のことで、2001年に策定されたミレニアム開発目標の後継として、2015年9月に国連サミットで採択された国際目標です。
2016年〜2030年の15年間で達成すべき17のゴール・169のターゲットから設定されていて、それぞれのゴールに異なるカラーが割り当てられています。
具体的な17のゴールは以下の通りです。
・目標1 貧困をなくそう
・目標2 飢餓をゼロに
・目標3 すべての人に健康と福祉を
・目標4 質の高い教育をみんなに
・目標5 ジェンダー平等を実現しよう
・目標6 安全な水とトイレを世界中に
・目標7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
・目標8 働きがいも経済成長も
・目標9 産業と技術革新の基盤をつくろう
・目標10 人や国の不平等さをなくそう
・目標11 住み続けられるまちづくりを
・目標12 つくる責任つかう責任
・目標13 気候変動に具体的な対策を
・目標14 海の豊かさを守ろう
・目標15 陸の豊かさも守ろう
・目標16 平和と公正をすべての人に
・目標17 パートナーシップで目標を達成しよう
地球上の誰1人取り残さないことを誓い、発展途上国だけではなく先進国自身も取り組む普遍的なものとして、日本も積極的に取り組んでいます。
また、企業として見逃せないポイントが、投資家がESG(環境・社会・企業統制)を重視し、SDGsへの貢献度をひとつの指標としてみるようになったことです。その結果、SDGsは株価に影響するようになり、企業経営の上で外せない視点となりました。
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SDGsバッジとは?
出典:UNDP
SDGsバッジとは、17のゴールの色を使用したバッジで、上記の画像のようにドーナツに似た形です。
この形はSDGsカラーホイールと呼ばれ、Stustainable Development Goalsの、「Goals」の
「O」がバッジのデザインになっています。
基本的なサイズは約2.5cmで、一般的な社章などと比べるとひとまわり大きい印象です。1.5cmや2cmのバッジもあるため、目立ちすぎるのが気になる方は小さいサイズを探してみるとよいでしょう。
バッジの形式は様々で、以下のような種類が販売中です。
・ピンバッジ式
・クリップ式
・ブローチ式
・マグネット式
素材もメッキ・ゴールド・木製・うるしなどがあり、使用する素材によってバッジの色味や印象が異なります。
最近ではSDGsの取り組みの一環としてバッジを着用する企業も増加。一例ではありますが、三井住友信託銀行の全社員がバッジを身につけていたり、大丸松坂屋百貨店では全員が着用できるようにする仕組み作りがスタートしています。
SDGsバッジをつけるメリット
SDGsバッジ自体の意味は分かったけれど、着用することで自社にはどんな影響があるの?と気になる方もいらっしゃるでしょう。ここからはSDGsバッジを従業員が着用するメリットについて解説します。
自社のSDGsへの取り組みを社内外へアピールできる
企業が従業員にSDGsバッジを着用させる目的は、自社がSDGsに取り組んでいることを社内外へアピールすることです。また「SDGsへの取り組みを発信すること」自体も、SDGsへの取り組みの1つとされています。
企業としてSDGsに貢献していることをプレスリリースなどで発信する機会はあっても、従業員1人1人が発信する機会はほとんどないでしょう。そのため従業員がSDGsバッジをつけることで、社内外の人に自社のSDGsの取り組みを知ってもらうきっかけになるでしょう。
SDGsへ取り組んでいる企業は国内外問わずポジティブな印象を与えます。企業の中にはSDGsのバッジを全従業員に配布し、着用させているところも存在します。
自社がSDGsに取り組んでいる場合は、積極的に取り入れるとよいでしょう。
SDGsを知らない人に興味をもってもらう
SDGsバッジはカラフルなデザインのため、まだSDGsをよく知らない人から興味をもってもらうきっかけになります。
SDGsを知ってもらうことも、目標達成の1歩であることからバッジをつけることはSDGsに貢献しているといえるでしょう。
SDGsバッジをきっかけに話題が広がりやすくなる
従業員がSDGsバッジを着用することで、商談などで話題が広がる可能性があります。SDGsバッジを着用している=SDGsに貢献しているという認識のため、商談相手から自社の取り組みについて聞かれることもあるでしょう。
ただし、バッジを着用しているのに自社のSDGsへの取り組みについて話せなければ、SDGsウォッシュだと思われ相手にマイナスの印象を与えかねません。SDGsバッジを着用させるのであれば、自社の取り組みについて従業員にしっかりと周知しておく必要があります。
SDGsバッジをきっかけに親近感が生まれる
SDGsやSDGsバッジについて知らない人と話のきっかけになることはもちろん、SDGsバッジをつけている人同士でもバッジをきっかけに親近感が生まれ話がはずむことがあります。
SDGsは世界共通目標のため、海外の方と話す際にも共通点として認識され、お互いに距離を縮めるきっかけになる可能性があるでしょう。
また、SDGsバッジを着用していると、SDGsの話題を振ってもよい人だと認識され、相手がSDGsの話をしやすくなる効果もあります。
SDGsバッジの価格相場・購入先・着用場所
ではSDGsバッジを実際に購入する場合、価格はいくらくらいなのでしょうか。また、SDGsバッジには正規品・非正規品がありますが、それぞれどこで購入できるのか解説します。
SDGsバッジの価格相場
SDGsバッジはさまざまなショップで1つ約1200円前後で購入できるため、この価格帯が一般的なSDGsバッジの価格相場といえます。
企業や団体などで一度に大量に発注する場合には、1個あたりの値段をおさえられる可能性があります。従業員が多い企業で全従業員にSDGsバッジ着用させることを検討するなら、バッジ製造会社に見積もりを相談してみるとよいでしょう。
正規品と非正規品を見分ける方法
SDGsバッジの販売は国連本部の承認が必要ですが、未承認のまま販売されているケースも。正規品を見分けるポイントは2つ。
1つ目は、販売サイトに国連に承認された正規品であることが記載されています。
2つ目はSDGsバッジが国連の「カラーホイールを含むSDGsロゴと17のアイコン使用ガイドライン」に沿ってデザインされているかどうか、です。SDGsバッジはカラーの変更や配置などの軽微な変更も不可とされています。
出典:国際連合
図にあるようにカラーホイールの禁止事項は以下の通りです。
・拡張したり押しつぶしたり歪めたりしない
・要素の位置を変えない
・カラーホイールを色付きボックスに置かない
・影つけをしない
・色彩を変えない
・トリミングしない
・突き出したり斜角をつけたりしない
・カラーホイールの中心に色彩を用いない
しかし、これらを1つずつ確認してから購入するのは大変です。必ず正規品を購入したい場合には、これからご紹介する【正規品】と書いてあるショップをご覧ください。その他、SDGsバッジが購入できるサイトも一緒にご紹介します。
【正規品】ニューヨークの国連本部や国連のWebサイトから購入する
出典:国連Publications
国連関連機関が販売しているSDGsバッジは、当然ですが正規品です。しかし日本の国連関連機関ではSDGsバッジを販売していません。
日本で国連関連機関からSDGsバッジを購入するには、海外のサイト(英語表記)から購入する必要があります。
国連Publications 10個セット/$35/送料別
UNDP 2個/$7.99/送料別
【正規品】クラウドファンディングから誕生したサイトで購入する
出典:joinsdg事務局
joinsdgs事務局によるクラウドファンディングから誕生したサイトでも、SDGsバッジを購入できます。商品説明にも国連ガイドライン遵守と記載があります。
一般的なサイズより小さめで、服に穴を開けなくてよいマグネットタイプも購入可能。ビジネスシーンに取り入れやすいSDGsバッジです。
#joinsdgs 1個/¥1,980/送料無料
【啓蒙普及目的】木材を用いたSDGsバッジ
出典:阿蘇小国杉のくらし
その土地の木材を使用したSDGsバッジも販売されています。
正規品ではありませんが、木材を使用したSDGsバッジの一部をご紹介します。
阿蘇小国杉のくらし 1個/¥500/送料別
一般社団法人SDGsとうほく 1個/¥1,500/送料別
静岡まるごとネット通販(富士檜) 1個/¥880/送料別
大手通販サイトで購入
非正規品であれば、amazonや楽天市場などの大手通販サイトでもSDGsバッジが購入できます。サイズや形式も目的にあったものが手に入りやすいのが特徴です。
SDGsバッジをつける場所
SDGsバッジは普通のバッジと同じように、着用場所が決まっているわけでありません。ジャケットやセーター、シャツのの襟元やネクタイ、社員証が入ったネックホルダーにつけている人が多いようです。
しかし社外の人にSDGsバッジに気づいてもらい「自社のSDGsの取り組みをアピールするきっかけにしたい」という目的がある場合には、目立ちやすいジャケットなどの襟元が効果的です。
SDGsバッジを購入する際は、従業員がどこにつけるか想定してバッジの形式を決めるとよいでしょう。
自社のSDGsの取り組みを理解しバッジをつけよう
企業が従業員にSDGsバッジを着用をさせるのは、自社のSDGsの取り組みを社内外へ発信するという目的が大きいでしょう。つまり従業員がただバッジをつけているだけでは意味がなく、従業員1人1人が自社のSDGsへの取り組みを説明できる必要があります。
SDGsバッジの導入を検討する場合は、自社のSDGsの取り組みへの理解を深める研修なども同時に行うことが大切です。
