関東ITソフトウェア健康保険組合とは?厳しい加入条件やメリットを解説

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    入社後すぐに加入する健康保険組合。それによって毎月の給料から保険料が徴収される仕組みになっており、従業員側にあまり意識されることはありません。

    しかし、健康保険は加入する組合によって保険料からサポートまで様々なものがあります。なかでも、IT企業を対象とする「関東ITソフトウェア健康保険組合(ITS)」は、その充実したサービスから人気を集めています。本記事では、関東ITソフトウェア健康保険組合の加入条件やメリット、申請の流れを紹介していきます。オフィスコンビニ型の健康社食の導入増加中!  1品100円で、24時間いつでも食事を提供できる「置き型社食︎のオフィスおかん」。  普段の食事補助だけでなく、人材定着、従業員満足度向上などの目的で全国で導入されています。 「オフィスおかん」の詳細をみる

     

    関東ITソフトウェア健康保険組合(ITS)とは?

    関東ITソフトウェア健康保険組合(ITS)は、関東圏に所在するIT関連企業を対象とした健康保険組合のひとつです。一般的に入社後すぐに入るのは、全国健康保険協会である場合が多いと言われています。

    おもに健康保険業務を全般的に行っており、設立以来、コンピューターのソフトウェア産業が右肩上がりの成長を遂げている中で、今では国内有数の規模を誇る総合型の健康保険組合として機能しています。

    単一健保と総合健保

    そもそも健康保険組合とは、国が行うべき保健事業を代わりに民間で行う組合のこと。700人以上の従業員を有する企業や同業種の事業者が集まる3,000人以上の拠点では、厚生労働大臣の認可を受けられれば、健康保険組を設立することができます。

    特に、複数の事業者が集まる団体が行う保険は「総合健保」と呼ばれ、関東ITソフトウェア健康保険組合(ITS)も総合健保として設立されました。

    協会けんぽと組合健保との違い

    入社後に加入する健康保険制度には、保険料の徴収・給付などの健康保険事業を国に代わって運営する組合健保(組合管掌健康保険)と、主に中小企業で働く従業員が加入している協会けんぽ(全国健康保険協会)があります。そのうち、関東ITソフトウェア健康保険組合(ITS)は、組合健保に当てはまります。

    協会けんぽと組合健保の違いは、保険料と付加給付などにあります。多くの組合健保では、協会けんぽより保険料が安く、医療費の自己負担額が少ないといった特徴があり、人気の理由のひとつです。

    関東ITソフトウェア健康保険組合の加入メリット

    過去、景気の並みに左右されて事業運営に変動されることもありましたが、業界の確実な成長のおかげで、加盟する事業所と被保険者数は、順調に増加しています。

    また、IT業界で知名度の高い企業もが数多く加入していることから、組合のスケールメリットを最大に活かすことができます。

    ①協会けんぽより低価格な保険料

    具体的には、事業経営者、被保険者共に、一般保険や介護保険料が全国健康保険協会(協会けんぽ)より少ない負担で済むことです。協会けんぽと当健康保険組合の保険料率を比較すると、協会けんぽでは、月々の一般保険料率の負担が事業主、被保険者共に5%。同健康保険組合の一般保険料率は、4.25%となっています。

    協会けんぽとITSの保険料を比較したのが以下の表になります。1番右の差額を確認すると被保険者(個人)は年間で39,900円安くなっており、事業主と被保険者の合計では年間1,596,000円も安くなることがわかります。


    参照:関東ITソフトウェア健康保険組合 HP

    ②手厚い付加給付金のサポート

    IT健保では、高額療養費の給付と付加給付金という従業員にとって心強いサポートがあります。

    具体的には、被保険者の収入に応じた自己負担限度額を超える医療費が必要になった場合、その差額が支給される、また保険医療機関を受診した際の費用が2万円を超えていた際に超過額(付加金)が給付されるといった制度内容になっています。

    給付額は以下を参考にしてみてください。

    業務外で病気や怪我をしたとき 給付額 = 自己負担額 – 20,000円
    出産したとき 給付額 = 1児につき90,000円
    扶養家族が死亡したとき 給付額 = 150,000円

    参照:関東ITソフトウェア健康組合 給付額一覧

    ③インフルエンザ予防接種の補助

    IT健保では、毎年インフルエンザ予防接種の費用補助を実施しています。

    院内接種・集合接種・出張接種の3種類から選ぶことができ、被保険者本⼈と被扶養者家族に対し、年度内に2000円の補助が出されます。インフルエンザが流行する12月よりも前の9月から申し込みが可能となっているため、体調を崩しやすい方や子どもの感染リスクが気になる方は早め早めの対策ができそうです。

    ④各種検診・検査がお得

    IT健保に加入していれば、歯科検診、巡回婦人健診、巡回特定健診、脳MR・肺CT検査、歯科健診、胃がんリスク検査などのさまざまな検診・検査を無料または安価に受けることができます。

    全国に設けられた健診会場 (公的施設・医療機関等) で受けるタイプと、自宅で検査キットを使用して郵送するタイプがあり、被保険者にとって受けやすいのも特徴です。

    ⑤常備薬をお得に購入

    IT健保では、「家庭用常備薬」を特別価格で購入することが可能です。風邪薬、頭痛薬などの基本的な症状のものから花粉症などの季節によってなりやすい病気の薬まで、豊富な種類の常備薬が提供されています。

    家庭向けとされていますが、申込金額4,000円以上の場合に送料無料になるため、職場の常備薬としてまとめて購入するとよりお得に購入できるでしょう。

    ⑥特定保健指導と健康プログラム

    40歳 から74歳 までを対象にした「特定健診」でメタボリックシンドローム発生リスクが高いと判断された人に対して、「特定保健指導 」とよばれる生活習慣の改善サポートプログラムを提供しています。

    また、生活習慣病予防プログラムやダイエットプログラム、糖尿病教育介入プログラムなど様々な種類があります。ただし、各プログラムは希望制ではなく疾病リスクが疑われる人を対象としているため、全ての人が必ず受けられるものではありません。

    ⑦保養・宿泊施設が充実

    被保険者とその扶養者であれば、提携しているホテルに1泊2食付きで5,500円で泊まれてしまうという非常にお得なサービスがあります。

    保養施設がある場所も、箱根、軽井沢から伊豆や京都まで観光地としても有名なところばかりです。日々の健康をサポートするだけでなく、仕事からのリフレッシュも助けてくれるのが、IT健保の魅力的なところです。

    ⑧テーマパークを格安で楽しめる

    デスクワーク中心で日常生活においてあまり歩かないことによる運動不足解消を目的としているのが、「IT健歩大会」です。

    ディズニーランドやディズニーシー、ユニバーサルスタジオジャパン(USJ)での開催実績があり、1人3000円という破格の値段で入園することができる非常に魅力的なプログラムのひとつとなっています。

    被保険者だけでなく被扶養者も入場できるため、健康促進とともにレクリエーションとして楽しむことができそうです。

    ⑨補助金も出る旅行パック

    IT健保に加入していれば、「ITS旅行パック」とよばれる補助金の出る旅行サービスが利用できます。

    これは、1回の利用につき1人1万円の補助金が出る旅行パックで、国内から海外までさまざまなツアーから選択可能です。さらに、基本の旅行代金が20,000円以下の場合は半額補助に。

    ただし、年度内の旅行2回までが対象であることと、飛行機・バス・鉄道と宿泊がセットになっているパックのみであることには注意しましょう。

    ⑩フィットネス施設を安く使える

    IT健保の被保険者は、都内や近郊を含めたフィットネスジムやスポーツ施設も安価に利用することが可能です。

    全国各地のスポーツクラブには、関東ITソフトウェア健康保険組合の被保険者・被扶養者であることを伝えて保険証を提示するだけで利用できるため、仕事帰りも休日も気軽にフィットネスを楽しむことができますね。

    ⑪本格レストラン・寿司もお得

    IT健保被保険者に特に人気を集めているのが、本格的なレストランや寿司屋、バーラウンジなどを低価格で利用できる点です。

    なかでも、銀座にあるミシュラン2つ星の寿司屋「鮨かねさか」の系列店である「鮨一新」は、IT健保の被保険者とその被扶養者のみが入れる店として羨ましがれるほど。

    事前にWeb予約をする必要があり、予約が取れないほど人気店も多数あります。こうした休日が楽しみになるようなサービスが豊富なのも、IT健保ならではの特典です。

    ⑫コロナワクチン職域接種が無料(2021年現在)

    IT健保の被保険者は、無料で新型コロナウィルスワクチンの職域集合接種を受けることができます。

    自治体のワクチン接種をしたくてもなかなかWebで予約が取れない人も多いため、無料で接種できる機会があるのは非常に嬉しい特典です。提供されているワクチンの種類は、武田/モデルナ社製のワクチンで、対象は被保険者のみとなっています。家族は申し込むことができないため、その点は注意が必要です。

    関東ITソフトウェア健康保険組合の加入条件

    さまざまな魅力ある関東ITソフトウェア健康保険組合。しかし、どんな企業でも加入できるわけではありません。自社は対象内であるかどうか、加入できる条件をチェックしましょう。

    ①主要業務が以下のものであること
    ・パッケージソフトウェアや関連製品の利用技術・研究開発及び販売
    ・コンピューターと周辺機器の販売や保守サービス
    ・コンピュータ利用による情報の提供業
    ②東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県、 長野県、山梨県の協会けんぽ加入
    ③被保険者数20名以上
    ④標準報酬が月額118,000円以下など低すぎないこと
    ⑤平均年齢がIT健保の平均を著しく上回らないこと
    ⑥扶養率が高すぎないこと
    ⑦過去1年間公租公課に滞納(納入遅延)がないこと
    ⑧反社会的勢力と関係性がないこと   など

    参照:加入基準 | [ITS]関東ITソフトウェア健康保険組合

    加入条件からもわかるように、コンピューターのソフトウェア関連の事業を手掛ける会社に限定されます。

    関東ITソフトウェア健康保険組合の加入申請の流れ

    参照:申請の流れ | [ITS]関東ITソフトウェア健康保険組合

    上記の通り、加入基準を満たしているか確認した上で申出書に入力し、 サイトから加入申出書を印刷して作成します。代表者印を押印の上、添付書類を添付、郵送または窓口にて提出し、完了です。

    ただし、ITSの審査は非常に厳しいと言われており、申請したからといって必ず入れるわけではありません。条件を満たしているか、見落としがないよう確認を行いましょう。

    関東ITソフトウェア健康保険組合の加入申請に必要な書類

    申請には、以下の書類が必要となります。フォーマットをダウンロードする必要のある書類もありますので、必ずサイトを確認してください。

    必要な書類一覧

    ・商業登記簿謄本又は履歴事項全部証明書(原本1通)
    ・最近の法人の確定申告書写
    ・直近1年の法人税の領収書写又は納税証明書
    ・直近1年の源泉所得税の領収書写
    ・直近1年の社会保険料の領収書写又は納入証明書
    ・賃貸借契約書写(賃貸の場合)(1通)
    ・事業所の概要(会社案内)
    ・事業所調査に対する事業主の同意書(3通)
    ・反社会的勢力等の排除に関する誓約書

    参照:申請に必要な添付書類 | [ITS]関東ITソフトウェア健康保険組合

    なお、企業側は被保険者の申出に応じて、必要となる各届け出を提出する必要性が生じます。

    被保険者の出産・退職・死亡や被保険者資格の取得年月日・種別・報酬月額の訂正、資格喪失年月日の訂正、取り消し等は、規定の期日内までに速やかに届け出を提出しなければならないため、特に注意しましょう。

    メリット盛り沢山なIT健保を活用しよう

    さまざまな形態のある健康保険ですが、ITSは保険料をはじめ手厚いサポートを受けることができます。従業員の満足度が高まるだけではなく、事業主の負担を軽減することもできるため非常に魅力的な健康保険組合です。

    人事・総務に任せがちという方も、これから自社従業員のために申請を考えている企業担当者の方も、さまざまなメリットや活用できるサービスを踏まえた上でIT健保を検討してみてください。

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