従業員一人一人の能力さえ高ければ業務は円滑に進むのでしょう?
この問いに対する答えはもちろんNOです。会社はあくまで組織として仕事をするものですから、単純に従業員の能力を足し合わせた結果が出るわけではありません。それどころか、確かな能力があっても高すぎるプライドを持つ者が集まってしまった場合、足の引っ張り合いが起こることも考えられます。逆にお互いがうまくサポートしあったりすることで、個々人の能力の合計以上の成果を収める可能性もあります。
順調に業績を伸ばしていくためには社内の十分なコミュニケーションが必要不可欠。十分なコミュニケーションがとれていなければ、従業員間での思い違いや連絡不足により思わぬ失敗を招く可能性もあるのです。このような環境では従業員は仕事に対して高いモチベーションを保つことはできませんし、最悪の場合、従業員が辞めてしまうこともあるでしょう。
あなたのオフィスはコミュニケーション不足を原因とする問題が発生していませんか?業務を円滑に進めるため、従業員の満足度を上げるために、今求められているのはコミュニケーション活性化かもしれません。

そもそもコミュニケーション活性化とは?
今さらではありますが、コミュニケーションという言葉にはどんな意味があるのでしょうか?
コミュニケーションとは、集団の中でお互いの考えや気持ちについて理解を深め合うための行動です。人間は一人で生きていくことはできません。私たち人類は自分以外の他者と言葉や動作を通じて協力し、時には国や文化をつくり歴史を刻んできました。
もし私たちに集団の中で意思疎通する能力がなければ、今でも森の中で野生動物を狩って生活していたかもしません。会社という組織の中でもそれは同じです。力を合わせて業務に取り組むことができなければ大きな目標は成し遂げることはできないのです。
コミュニケーション活性化は単にみんなで仲良くしましょうという話ではありません。会社の関係者が力を合わせて一つの問題に取り組む力を鍛えるという意味でもあるのです。
企業としてコミュニケーション活性化を図るためにどうするべきか
コミュニケーションが重要であることは先ほども述べた通りです。
しかし職場でのコミュニケーションは友人とのプライベートなコミュニケーションとは違いがあります。最大の相違点は、会社という組織に所属する人同士には売上の増加や新製品の開発といった共通の目的があることです。
ところが、実際の現場では自分に割り当てられた業務を遂行することに必死になりすぎた結果、お互いの足を引っ張り合う状況になっていることも珍しくありません。まずは従業員全員に会社全体としての方針、目標やおおまかな計画を理解してもらい、自分たちは一つの同じ目標に向かって進む仲間であるのだと意識してもらう必要があります。とはいえ社員研修を開催したところで効果は一時的なものにしかなりません。業務推進目標を短い文章でまとめてオフィスに掲示しておいたり、毎朝数分朝礼をしたりなど、毎日少しずつでも全従業員に共通の意識を浸透させていくことが重要です。
コミュニケーション活性化の落とし穴
コミュニケーションはお互いの想いを通じ合わせるためのものであり、一方向から押し付けるものではありません。従業員をコントロールするような無理な改革では反発する人もいるでしょう。あくまで相手の考えや意思を尊重し、話をよく聞いた上で具体的な策を考える必要があります。
特に会社という環境では、上司は部下に対して指示に従うべき、言うことを聞くべきと考えがちです。何度も述べたようにコミュニケーションとはお互いの考えや気持ちを理解し合うための行為。部下の考えを押しつぶすような態度は健全なコミュニケーションとは言えません。コミュニケーションを活発させるための方法論だけを探すのではなく、従業員とコミュニケーション活性化の重要性やメリットについて話し合い、全員が納得できる方針を立てることが重要になります。
コミュニケーション活性化について話し合うところからコミュニケーション活性化は始まっているのです。
