ワークライフバランスの充実が転職の目的となりうるのか?

    目次

    仕事と生活の調和をはかり、この両輪をうまく動かすことによって生産性を上げていくワークライフバランスが注目を集めています。政府主導で様々な取り組みがなされている中、実際に仕事をする人はどういった点に注目しているのでしょうか。

    今回は転職市場におけるワークライフバランスについて、求職者目線、企業人事担当者目線のそれぞれで見ていきたいと思います。

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    転職者が求めるワークライフバランス像とは

    転職者は企業のどの部分に関心を示しているのでしょうか。

    転職サイトのキャリアインデックスが調べた、転職活動で企業のどの部分に注目しているか調べてみると (2017年7月調べ) 、20代30代の若手求職者の場合、1位が給与で72.2ポイント、2位が休日・休暇で64.7ポイントとなりました。40代以上のベテランになると1位の給与は71.0ポイントとほぼ変わらないものの、休日・休暇は52.8ポイントで5位となっています。

    比較的若い世代が休みをしっかり取れるか気にしているようです。

    ここから見て取れるように、転職の多くを占める20代から30代の方々にとって、休日を取るということは仕事をする上で必要なものという認識が強く、ワークライフバランスを重視していると言えるでしょう。

    参考:転職で注目するポイントランキング第1位は給与。第2位はミレニアル世代とミドル世代で差

    転職でワークライフバランスは改善される?

    転職によってワークライフバランスの改善を目指していたとして、実際にワークライフバランスは改善されるのでしょうか。

    結論から言いますと、転職が必ずしもワークライフバランスの改善になるとは言い切れないようです。その理由を見てみましょう。

    転職者によって求めるワークライフバランスは異なる

    転職の目的は人によって異なります。ですから、想定されるワークライフバランス像も(休日が上位を占めてはいますが)人によって異なってきます。例えば、広く見聞を広めるために海外旅行や海外で行われるカンファレンスに行きたい人がいたとします。それに伴って、1週間くらいの休暇と旅行費が必要となるでしょう。

    また、お子さんがいらっしゃる人でしたら家族と過ごす時間を大切にして、家族のサポートを得ながら仕事に弾みをつけるというのもワークライフバランスを取ることとなります。ですから、自分にとって理想的なワークライフバランスにマッチする会社を見つけるのは大変なことなのです。

    こういったバランスは人によって少しずつ異なるものですので、全員が納得する形で会社の制度を作るということはかなり難しい問題になります。結果として、どこかで妥協点を見つけることとなりますので、実態がそのかたにぴったり合うということを保証できるわけではありません。

    入社してみないとワークライフバランスが見えにくい

    募集要項に休日や給与などの情報は載っていますが、繁忙期の残業はどのくらいなのか、社員の有休消化率はどのくらいなのか、といった情報はクローズにされがちです。正直、入ってみないとワークライフバランスが適正になされているか、確かなことはわかりません。

     

    転職でワークライフバランスは考えてはいけない?

    転職でワークライフバランスが改善されるかわからないのなら、転職にワークライフバランスを求めてはいけないのかというとそうではありません。

    むしろ転職理由にワークライフバランスを用いるべき

    ワークライフバランスを重視したいというと、仕事よりプライベートを充実させたいと感じてしまう人事担当がいるかもしれません。

    また、転職者の方もそのように『勘違い』させてしまうと思い、転職理由にしないケースが多々あると思います。しかし、ワークライフバランスはあくまで仕事と生活のより良いバランスを保つというのが目的です。つまり、転職する方がプライベートを充実させるのが目的ではなく、プライベートを充実させることで仕事へのモチベーションをアップさせる事を理解し伝えられるようであれば、ワークライフバランスを転職理由として掲げても問題ないです。むしろ、ダラダラ仕事をするのではなく、目的を持って生産性を上げてくれるということで、人事担当の印象は良くなるかもしれません。

    もちろん、目先のワークライフバランスだけに目を向けているだけでは転職は成功しません。40代、50代になってどのように社会に役立てているか、人生のワークライフバランスも考えておくと良いでしょう。

     

    採用側としてはワークライフバランスの裏に隠れる本音を見抜け!

    一方で、採用企業側としては、ワークライフバランスの充実、という言葉を求職者からたくさん聞くことと思います。

    求職者が本当の意味でワークライフバランスの充実を求めていて、その実現が自社だからこそ実現できるものであれば、企業として喜んでも良いかもしれませんが、概して「ワークライフバランスの充実を求めて」という言葉の裏には何かしら他の理由も隠れていることがあります。

    言葉の通りに受け取って、実はそれ以外の理由が転職理由のメインだった、それが会社とその方のマッチングという観点で、ミスマッチの要因になってしまうという事態は避けたいものです。

    個人のプライベートを詮索することはできませんが、具体的にワークライフバランスの充実とは、何を持って定義しているのかというところについては求職者と認識合わせをしておく必要がありそうです。

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