生産性向上の鍵は”集中”にあった!JINSが考える未来の働き方とは


    「はたらくを科学する」をテーマに、これからの働き方について考えるカンファレンスイベント<SEA DAY>。第3回目を迎えた<SEA DAY 03>が、株式会社岡村製作所の運営する共創空間Open Innovation Biotope “Sea”にて、10月10日(火)、11日(水)の2日間に渡り開催されました。

    数多くの興味深いテーマが取り上げられたイベントの中で、株式会社岡村製作所 山本大介氏(WORK MILLプロジェクトメンバー)と株式会社ジンズ 井上一鷹氏(JINS MEMEグループ マネージャー)が登壇したセッション「データによる可視化からアプローチする「集中」と「健康経営」~ウェアラブルと「はたらく」~」における、井上氏のプレゼンテーション部分の様子をお届けします。井上氏が考える”未来”の働き方改革とは一体どのようなものなのでしょうか。

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    今の働き方改革はズレている

    井上氏は、今の働き方改革は、時間軸だけでしか議論しておらず、残業を削減するだけの“休み方改革”になっていることを指摘。月160時間以上働いている人に対して企業は、明確な根拠がないまま、半ば強制的に残業を削るという具体例を挙げながら、問題点を指摘しました。

    「アウトプットには、時間軸だけでなくパフォーマンスの軸が存在し、人は1日に4時間しか集中できないと言われています。ここから、本来の残業時間の削減とは、パフォーマンスが低い時間を選択的に削り、いかにこの4時間で重要な仕事をするかを考えなければならないのです」

    JINSが開発した集中力を計測できるウェアラブルデバイス『JINS MEME(ジンズ・ミーム)』を活用することで、パフォーマンスの1つの指標である集中力を可視化。このデータが、パフォーマンスの低い時間を見つける指標になります。

    https://jins-meme.com/ja/

    一見普通のメガネである『JINS MEME』は、眼球の動き、瞬きの回数、瞬きの強さ、姿勢などをかけるだけで計測し、そのデータに基づき、集中度を測ることができます。そのデータは、スマホの専用アプリに送られ、自分がいつ・どういう状態で集中できているのか可視化することができます。

    今後の働き方改革はKPIで管理する

    JINSでは、『JINS MEME』を使い、様々な企業と連携した実証実験を行っています。実験のデータから、今後の働き方改革について新たな視点が明らかになってきました。

    株式会社ビズリーチのエンジニア向けに実施した2週間の実証実験

    JINS MEMEで計測したデータをもとに、各個人が集中しやすい時間に勤務時間を変更すると、集中している時間が15分/日増加。年間に換算すると1人当たり61時間もの集中時間が増加。


    日本マイクロソフト株式会社との実証実験

    オフィスで働く場合と、自宅または近くのカフェでテレワークしてもらう場合の集中度の差を計測。テレワークをした従業員は、集中している時間が平均30%増加。


    環境要因による集中力への影響を検証した実験

    CO2濃度と温度が集中力に影響を与えていることが明らかになった。

    JINS MEMEを活用したこのような検証により、さまざまな働き方改革の施策による生産性向上の効果を定量的に測ることができるとし、井上氏は、今後の働き方改革について言及しました。

    「このような実証データから、働き方改革の施策効果を、定量的に見ることができます。今後はこのデータを用いて、なんとなく働き方改革を進めるのではなく、しっかりとしたKPI管理の元で働き方改革を進めていくことが大切だと考えています

    「また残業代は、人件費の6.5%と言われており、残業代を削減すれば、国内だけで8.5兆円のコストカットができます。これからは、生産性が落ちた状態で遅くまで働いている人に残業代を払う時代から、集中して働いて、生産性を向上させた人にインセンティブを与えるような仕組みを作っていかなければならない時代へと変化するでしょう

    人はどうしたら集中できるのか

    また、「人はどうしたら集中できるのか」という問いに対して、井上氏は様々な検証を行ってきた経験からこう答えました。

    「集中力を測った大量のデータを見てきて、集中できる方法は25個しかないということがわかってきました。さらに体系化してみると、“環境が整っている”→“適切な取り組みがなされている”→”体調が整っている”ということが重要だということです

    「最近“マインドフルネス”が広く浸透していますが、これを根拠にいうと、椅子を替えるなどの環境を変える取り組みをした方が断然効果が出るはずです。そして、この“職場環境改善”は総務、“適切な取り組み”は人事と組織マネージャー、“体調管理”は個人で取り組んでいかなければなりません」

    ここまで検証したことからJINSでは、世界で最も集中できる環境を整えたコワーキングプレイス『Think Lab』を建設中です。この『Think Lab』は、「人の脳は集中するまで1本道でUXをデザインする必要があり、1度脳にストレスをかけて、リラックスするというプロセスが集中するためには必要」という学術的な要素に基づき、神社仏閣をテーマにデザインされています。

    なぜそこまで集中にこだわるのか

    では、なぜそこまで“集中”にこだわっているのでしょうか。井上氏はその理由をこう答えました。

    「AIが台頭した時代がくると、人に残される仕事は“イノベーティブな仕事”しかありません。イノベーションに関する研究では、“知の探索”ベクトルと“知の深化”ベクトルで測った時、個人・企業が、原点から遠いところにあればあるほど、イノベーションが起きる確率が高まるといわれています」

    「“知の探索”とは、WeWorkがやろうとしていることで、コミュニケーションの質を上げること。この分野は世界中で、様々な取り組みがされてます。ですが、“知の深化”、つまり1つの物事について深く考えることについて、世の中であまり考えられていません。そして、この分野は個人の集中力に寄与するもので、ここにアプローチするための手段が『JINS MEME』であり、『Think Lab』なんです

    集中することは幸せである

    また井上氏は集中することは、イノベーションを起こすためだけでなく、人生を幸せに過ごすためには不可欠だと解説しました。

    「ある心理学者の話では、快楽や意義がなくても集中状態に入った個人は幸せなのだそうです。例えば、気が進まない仕事でも、集中して取り組めば、自己肯定感が生まれる。このことから集中とは、時間当たりの密度を上げる行為で、その効果として幸せを享受できることになります」

    今後の時代に求められることとは?

    そして、AIの台頭や働き方改革、様々な変化が予想される今後の時代に求められることはなんでしょうか。最後に、井上氏はこう語りました。

    「これからの時代、自分の価値を高めていくには、自分は何に対して本気で取り組むかを言葉で語れることが大切です。それは仕事以外でも良いですが、それができない人は集中もあまりできないのではないでしょうか。そのことによって、人はやりたいことを実現するために時間当たりの密度をあげようと努力します。その時、テクノロジーはあくまで手段なので、使うことが目的になってはいけない。つまりデータを測ること自体に意味はなく、そのデータを使い、どう自分の時間を有効に活用するかが重要ですね」

    「さらには、多様な経験を内にもっていることも重要です。これからの時代、多様な経験を持った人、つまりインナーダイバーシティを持った人が、価値のある人だと考えます。これは学術的にも証明されているんですよ」

    『JINS MEME』は、単に集中力を測るツールではなく、そのデータを使って自分の行動を変えることができるツールであると井上氏は明言しました。集中時間を増やす(=時間当たりの密度の濃くすること)で、自分の人生をより豊かにするための手段となるかもしれませんね。編集部では、これからもJINSの取り組みに注目していきます。12月には「Think Lab」への突撃取材も行う予定です。乞うご期待!

    ついにThink Labがオープン!

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