快適な「オフィスの休憩室」の作り方!設置ポイントと企業事例

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    休憩室は、昼食をとったり、一息ついてリフレッシュするだけではなく、従業員同士のコミュニケーションを活性化させる役割も持ちます。従業員が休憩室で親睦を深めることは、業務の成果にも良い効果をもたらすのです。

    では、従業員の求める休憩室とはどのようなものなのでしょうか。実際のデザイン事例を交えながら解説していきます。

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    オフィスの休憩室の役割

    そもそも、企業のオフィスの休憩室は、事務所衛生基準規則により、設置努力が求められているのはご存知でしょうか。

    “第四章 休養
    (休憩の設備)
    第十九条 事業者は、労働者が有効に利用することができる休憩の設備を設けるように努めなければならない。” 出典:「事務所衛生基準規則(◆昭和47年09月30日労働省令第43号)」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=74089000&dataType=0&pageNo=1)(2024年5月12日に利用)

    オフィスの休憩室といえば、ランチタイムや小休憩などに使われることが主です。休憩室は、従業員が休憩時間等にリラックスして過ごせるスペースとしての役割を持ち、時には従業員同士のコミュニケーションが生まれる場所にもなります。

    しかし近年、コロナ禍においてテレワークが普及し、オフィスに出社せず在宅勤務をする従業員が増えたことで、社内におけるコミュニケーション不足という課題が浮かび上がってきています。

    日本労働組合総連合会調べの「テレワークに関する調査2020」によれば、テレワークにどのようなデメリットを感じているかといった質問に対する回答の第3位に「上司、同僚とのコミュニケーションが不足する」(37.6%)が挙がっています。このことからも、社内コミュニケーション不足がテレワークにおける課題の1つとなっていることが分かります。

    この課題を解決するために、オフィスの役割も「仕事をする場所」から「メンバーのコミュニケーションの場所」へとシフトしていくべきなのかもしれません。では、休憩室はどのような役割となっていくべきなのでしょうか。

    (参照:日本労働組合総連合会「テレワークに関する調査2020(https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20200630.pdf)」、記事更新日:2020/6/30、参照日:2024/5/16、調査主体:ネットエイジア株式会社、調査対象:ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする2020年の4月以降にテレワークを行った全国の18歳~65歳(会社員・公務員・団体職員・パート・アルバイト)を対象として1,000名に実施したアンケート調査、複数回答可、集計計測期間:2020年6月5日~6月9日。)

    オフィスの休憩室に社員が求めているものとは

    オフィスの価値が揺らぐ中、株式会社OKANではwithコロナで変化する「働くこと」に関する調査を実施しました。

    その結果によると、「仕事をする上でオフィスに必要なこと」という質問に対して、「メンバーと気軽なコミュニケーション(雑談)ができる環境」という回答が6割以上を占めました。

    (調査主体:株式会社OKAN、調査対象:全国20~50代働く男女を対象として3,760名に実施したアンケート調査、複数回答可、集計計測期間:2020年8月。)

    また、「働く上で最も大事にしたい価値観とは」という質問には、「良好な人間関係」を挙げる回答者が最も多いという結果になりました。

    (調査主体:株式会社OKAN、調査対象:全国20~50代働く男女を対象として3,760名に実施したアンケート調査、単一回答、集計計測期間:2020年8月。)

    このふたつの結果からは、「良好な人間関係を保てるような」「メンバーと気軽なコミュニケーションができる」オフィスが望まれていることがわかります。ちょっとした雑談が弾むオフィスは、従業員同士の関係性も良く社内の雰囲気も良好となり、業務のやりとりもスムーズであることでしょう。

    しかし、執務スペースでは声のトーンや内容を気にしなければなりませんし、席の近いメンバーとのやりとりばかりになりがちです。そこで、オフィスにおいてちょっとした雑談が弾むスペースとしての重要な役割を持つのが、休憩室なのだと考えられます。

    休憩室では、普段関わらない部署のメンバー同士の交流の場になり得ますし、会話の内容もビジネスから趣味まで自由です。オフィスにおける休憩室は、社内の人間関係を左右する場所だと言えるのではないでしょうか。

    オフィスの休憩室を快適にするポイント

    都内でも、フルリモート勤務から、週数日出社するハイブリッドワークなど、さまざまな働き方を実施する企業があります。オフィスの役割が以前と様変わりした企業もあるでしょう。では、オフィスや休憩室をより快適なものにするには、どのようなポイントに気をつければよいでしょうか。

    ①執務スペースからほどよく距離があり仕切りがある

    休憩室と執務スペースからあまりにも近かったり、仕切りなどがなく休憩スペースが丸見えだと、「会話が聞こえてしまいそう」「食事の様子が見られてしまうかも」と、せっかくの休憩時間にもなかなか緊張をほぐせません。

    ほどよく執務スペースと距離を取ったり、壁やパーテーションなどの仕切りで空間を区切ると、リラックスして休憩時間を過ごすことができるでしょう。

    ②暖かみのある照明を使用する

    業務のはかどる照明と、リラックスできる照明には、明るさや色に違いがあります。一般的に、業務がはかどるのは青みが買った色合いの昼光色の照明で、リラックスできるのはオレンジ色に近い暖かみのある色合いの電球色の照明であると言われています。

    休憩スペースには、暖かい色味で少し暗めの照明を使用したり、間接照明を用意するなど、業務時間と切り替えをしやすい照明選びをするとよいでしょう。

    ③適度に広くゆとりがある

    休憩スペースが狭いと、メンバーがこまめに入れ替わって使用せねばならず、複数人で雑談することは困難です。従業員の人数に合わせ、休憩室もゆとりをもって広く作ることで、休憩室内でのコミュニケーションも活発になるでしょう。

    ④心も体もリラックスできる工夫がある

    たとえば靴を脱いであがれる畳のエリアがあったり、広々とくつろげるソファがあるなど、休憩時間をゆったりした姿勢で過ごせるような工夫があるとよいでしょう。

    ⑤景観がよい

    大きな窓があって開放的であったり、複数の観葉植物がしつらえてあるなど、休憩室の景観がよいことは視覚的にもリフレッシュに繋がるでしょう。

    ⑥様々な目的をもつ従業員に対応できる

    場合によっては、休憩室で軽いディスカッションを行うこともあります。その際に使えるようなホワイトボードの用意があるとより便利に利用できます。また、複数のテーブルや椅子が用意されていると、社内での懇親会や、社外の参加者も招いた勉強会やセミナーも実施できます。

    事例でみる理想の休憩室

    企業ごとの特色あふれる休憩室の実例を紹介します。

    落ち着きあるレトロ空間や従業員主導のカフェスペース | イー・フォース株式会社

    イー・フォース株式会社では、レトロなイメージのコミュニケーションスペースが設置されています。このスペースは従業員のリフレッシュやセミナー等、さまざまな目的において活用できるフリースペースとなっており、疲れを癒す仮眠グッズも設置されています。。

    フロアはどこか懐かしさを感じる空間で、打ち合わせなどを行う際にも和気あいあいとした雰囲気でコミュニケーションが取れそうです。社内にはコーヒーメーカーも設置されており、リラックスできる空間づくりが行われていることがうかがえます。

    (参照:イー・フォース株式会社「Entrance Book for WEBエンジニア(https://endurable-danthus-4d1.notion.site/Entrance-Book-for-WEB-dd84609d6372419cb00a972f4361eb82)」、記事更新日:2023/12、参照日:2024/5/12)

    (参照:株式会社ヒトバデザイン「イー・フォース株式会社 / 昭和レトロなコミュニケーションスペース / オフィスデザイン事例(https://hitoba-office.com/works/456.html)」『WORK KIT』、参照日:2024/5/12)

    各フロアにリフレッシュカウンターを設置卓球でリフレッシュできる木目調の開放的な空間|フリー株式会社

    フリー株式会社では、各フロアにリフレッシュカウンターが設置されています。カウンター内にはコーヒーマシンがあり、ほっと一息つきたいときには各フロアのテーマイメージに合ったコーヒーが楽しめます。

    また、このスペースが偶発的なコミュニケーションの場にもなっており、リフレッシュスペースが従業員の休憩という用途だけでなく、社内コミュニケーションの活性化という役目も担っていることがわかります。

    (参照:フリー株式会社「オフィスツアー(https://jobs.freee.co.jp/environment/office-tour/)」『採用情報 | フリー株式会社』、参照日:2024/5/12)

    変幻自在に変身するカフェスペース|STORES 株式会社

    STORES 株式会社にあるカフェスペースは、ソファー、ベンチシート、カウンターなどを備えた、変幻自在な空間です。普段の休憩から、社内でのイベントや、ゲストを招いたセミナー開催にも適した広さがあり、さまざまな目的を叶えられそうです。

    (参照:STORES 株式会社「hey、グループ各社の集約移転 及びエンジニア向け専用サイト公開のお知らせ(https://www.st.inc/news/2018-05-28-hey-new-office)」、記事更新日:2018/5/28、参照日:2024/5/12)

    オフィスに新たに休憩室をつくる際に気をつけたいこと

    オフィスに休憩室を新たに作りたいという場合、下記の点に注意しながら計画するとよいでしょう。

    ①物件を借りる時点で十分な広さを確保しなければならない

    勤務予定の従業員数に合わせた業務スペースに加え、十分な広さの休憩室スペースを込みにしたレイアウトができるかどうか、物件を借りる時点で確認しておく必要があります。

    オフィスに充実した広さの休憩室を備えるにはその分必要な面積も広くなりますから、家賃が高くなる可能性があることは念頭に置いておきましょう。

    ②共用設備の利用制度や運用ルールを用意すべき

    コーヒーサーバーやテレビなどの電化製品、書籍など、共有で使う設備を休憩室に設置する場合、全員が気持ちよく使えるようにある程度のルールが必要になると考えられます。たとえば、「書籍は社外持ち出し禁止」「コーヒーサーバーの掃除は当番制で」など、必要に応じてルール設定を行いましょう。

    ③情報漏洩に気をつける

    社外の人との打ち合わせに休憩室を使う場合には、機密情報の取り扱いに気を払う必要があります。普段から、「機密情報の書類は休憩室に持ち込まない」「PCを放置するのは禁止」というルールを設けるなど、先回りしたルール設定を行いましょう。

    ④ゴミの分別や片づけなどのマナーの周知をする

    全員がリラックスして休憩室を使えるよう、ひとりひとりのマナーは不可欠です。ソファやテーブルを使用した後の片付けや、ゴミの分別、仮眠を取る場合の配慮など、社内カルチャーに合わせて啓蒙していきましょう。

    ⑤従業員の意見を取り入れる

    他社の休憩室を丸ごと真似しても、自社の従業員のニーズに応えられておらず、うまく活用できない事態も起こり得ます。それを避けるには、自社の従業員へのヒアリングは不可欠です。

    たとえば、

    • デスクワークで運動不足になりがちなので、運動できるエリアがほしい
    • 交流するメンバーが固まってしまう、他部署とも交流したい
    • ずっと人に囲まれていて一人になれるスペースがない

    など、企業によって従業員の要望はさまざまだと考えられます。従業員の抱える問題に応じて、それを解決できる要素を休憩室に取り入れることで、従業員の満足度もアップするでしょう。

    株式会社OKANの事例

    株式会社OKANでは、2019年から「ABW(Activity-Based Working)」の概念を取り入れたオフィスで業務を行っています。ABWとは、社員が自律的に業務内容や気分に合わせて、時間と場所を自由に選択するという働き方です。「集中」「団欒」といったように活動に合わせた座席が設けられているので、最適な座席を選択することができます。

    なかでも「DAIDOKORO 台所」と名付けられたカウンタースペースでは、食事や休憩をしたり、コミュニケーションをとったりできる開放的なスペースとして重要な役割を担っています。様々な部署の従業員が交流する、まさに「家の中の台所」的な立ち位置にあります。軽いミーティングが日々行われたり、雑談をしながら昼食をとる風景がよく見られます。

    設備としても、電子レンジ、ポット、置き型社食®︎「オフィスおかん」のお惣菜が揃っているこのエリア。心も体もリラックスできそうな空間となっています。

    ※「置き型社食®︎」は株式会社OKANの登録商標です。

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