戦略総務の役割とは?コロナ以後に重要性が増す、脱バックオフィスの役割

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    昨今では労働人口の減少による人材不足・企業競争力の強化・グローバル化など、企業の成長・発展のためには、これまでのやり方にとらわれない新たな変革が求められる時代になってきています。

    企業のイノベーションを図るには、企業の内部から変わっていく「体質改善」が重要課題です。社内の活性化・社員のモチベーション向上などは、総務が積極的に取り組むべき問題であり、社内に浸透させることができるのも総務だといえるでしょう。

    会社が生まれ変わり、これからの競争社会を生き抜くには、総務が戦略的に動くことが重要です。そこで、これからの総務のあり方について考えるべく、「戦略総務」について解説していきます。

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    戦略総務の定義

    企業の成長・発展のために変革が求められるこれからの時代においては、総務のあり方も変えていく必要があると考えられます。その変革の道中においては、「戦略総務」という概念が目指すべき方向性のヒントになるのではないでしょうか。

    まずはこれまでの総務のあり方や、「戦略総務」の定義について見ていきましょう。

    これまでの総務のあり方

    これまでの総務といえば「縁の下の力持ち」というイメージを持っている方もいるのではないでしょうか? 総務の仕事は、従業員の社内の部署や社員同士のコミュニケーションのパイプ役となり、各種調整・統制・管理といった業務が中心と考えられています。

    会社の利益や経営に直結する基幹業務を「コア業務」、利益に直結しない補助的な業務を「ノンコア業務」とするならば、以前の総務は後者であるといえます。

    総じてこれまでの総務の一般的なあり方は、従業員が安心・安全な環境で業務に取り組めるよう「守り」「受け身」の姿勢で陰からバックアップするものでした。しかし、この考え方に一石を投じたのが「戦略総務」という概念です。

    「戦略総務」の定義とは

    「戦略総務」とは一般的に、企業の課題解決に向けた社内の改善に対して戦略的に取り組む総務のことを指します。これまでの総務のように「受け身」の姿勢でバックアップに徹するのではなく、「攻め」の姿勢で企業の成長・発展に寄与する総務であるともいえます。

    総務はコストセンターではない!

    「コストセンター」とは、業務において利益を生み出さず、発生した費用のみが集計される部門のことです。反対に、利益を生み出す部門のことを「プロフィットセンター」といいます。これまでの総務というと、利益に直結しないコストセンターであると考えられていました。

    しかしこれからの総務は、企業の経営戦略にも積極的に関わっていくことが重要です。企業内においてなくてはならない存在、企業そのものを変えていく存在となるべく「戦略総務」として総務自身が変わっていく必要があります。

    総務にとって「戦略総務」の考え方が必要な理由

    昨今では、総務事務を「BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」するという企業もあります。BPOとは、業務プロセスを企画・設計段階から一括して外部委託(アウトソーシング)することです。ルーチン化されたノンコア業務をBPOすれば、企業の利益や経営につながるコア業務にも注力しやすくなるでしょう。

    今後、総務部門が企業の成長・発展に寄与していくため、時にはBPOなどを活用しながら戦略的に自己変革していくことが求められます。では、総務にとって「戦略総務」が必要とされるのはなぜなのでしょうか。その理由について見ていきましょう。

    企業を取り巻くさまざまな環境変化

    時代が変わるのに応じて、企業のあり方も変わります。取り巻く環境が変われば、企業も存続のために必要な変化が求められるのです。企業が変わればそれに適応するべく、総務も変化していく必要があります。これが「戦略総務」が必要とされる理由の1つ目です。

    近年、国内企業における環境変化の主なものとして、3つがあげられます。

    日本国内における人口減少

    深刻な人材不足の引き金となっているのが人口減少・労働力減少です。日本の総人口は1億2435万2000人(2023年10月1日現在)で、13年連続で減少が続いており、今後も長期の人口減少過程に入ると見られています。そのうち生産年齢人口とも称される15~64歳人口の割合は59.5%で、1995年以降減少局面に入っています。

    人口減少が進む中、優れた人材を確保・定着させることは、多くの企業の重要課題となっています。人材確保・定着のためには、社員満足度の向上がキーポイントのひとつであると考えられます。企業の魅力を向上させることはもちろん、働きやすい環境づくりも重要です。

    ダイバーシティ経営・健康経営®をはじめ、福利厚生など、総務が取り組むべきだと考えられる項目はたくさんあります。

    ※「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

    出典:「人口推計(2023年(令和5年)10月1日現在)調査結果」(総務省統計局) (https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2023np/index.html) (2024年5月15日に利用)

    出典:「日本の将来推計人口(令和5年推計)」(国立社会保障・人口問題研究所)(https://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2023/pp_zenkoku2023.asp)(2024年5月15日に利用)

    消費の質的変化

    消費者が求めるものは、時代に合わせて変化していくものです。その時代に合った新規事業、新規商品やサービスを生み出すには新しい発想や取り組みが欠かせません。イノベーションが生み出される場を創出するのも、総務としての大きな役割だといえるでしょう。

    働き方改革によるワークスタイル変革

    働く人々のニーズが多様化するのに合わせて、多様で柔軟な働き方を選択できるようにするための「働き方改革」が進められています。

    しかし、属人化している業務があったり、ペーパーレス化やDXが進んでおらずオフィスへの出社が必須になっていたりすると、ワークスタイルを変えることも難しくなってしまいます。多様な働き方が選択できるように環境を整えることも、総務が積極的に取り組むべき課題なのではないでしょうか。

    出典:「働き方改革のポイントをチェック! | 働き方改革特設サイト」(厚生労働省)(https://hatarakikatakaikaku.mhlw.go.jp/point.html)(2024年5月15日に利用)

    総務がハブとなり従業員のコミュニケーションの場をつくる

    そもそも総務はこれまでも企業内のすべての部署・従業員と関わりがある重要なポジションでした。総務が他部署と企業との中間に位置する「ハブ」となることで、企業の経営に大きな利益を生み出す可能性を秘めています。

    要望に対して「聞きっぱなし」ではなく、真摯に回答・行動すれば従業員との信頼関係も構築されていくでしょう。従業員の生の声を吸い上げ、要望に対して行動を起こすことは、総務としての戦略的な活動にもつながります。現場の声を集められる場を作るためにも、「攻め」の姿勢である戦略総務の存在は重要だと考えられます。

    まとめ

    働き方改革が進むなか、総務の役割も大きく変化してきています。これまで「あたり前」だったことに新しい風を吹き込み、「これまでになかったこと」を企業に浸透させるのは大変困難な作業だといえるでしょう。まずは総務自体がみずからを変革を起こすことで、企業全体が変わるきっかけになるのではないでしょうか。

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