1日中デスクに向かって座ったままで仕事をしていると、腰痛や肩こり、疲れやすさといった不調を感じやすくなるものです。特にオフィスから出ることが少ない内勤の場合は、こういった症状を抱えている方も多いのではないでしょうか。
デスクに座りっぱなしでいることによる不調を防ぐために有効なのが、スタンディングデスクを活用した「立って働く」スタンディングスタイルです。この記事では、スタンディングスタイルに欠かせないスタンディングデスクについて、メリット・デメリットや選び方などをご紹介します。
スタンディングデスクとは?
スタンディングデスクとは、立った状態で作業をするのに適したデスクのことです。
厚生労働省は「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」において、長時間の座位行動が健康に及ぼすリスクについて指摘し、座りっぱなしの時間を少しでも減らして身体を動かすことを推奨しています。
座りっぱなしの時間を減らすためには、スタンディングデスクや昇降式デスクを活用するのも1つの方法です。スタンディングスタイルでの働き方は、日本においてはまだ一般的であるとは言えませんが、今後は社員の健康への配慮を重んじる企業などで導入されるケースが増えていくのではないでしょうか。
出典:「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023 」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/content/001194020.pdf)(2024年5月12日に利用)
スタンディングデスク導入のメリット
とはいえ、普段座って働いている私たち日本人の感覚は「立ちっぱなしで働くのはしんどいのでは?」というのが正直なところ。「スタンディングワーク」の具体的なメリットをご紹介しましょう。
業務効率アップ
スタンディングデスクを利用することで、仕事中に立ったり座ったりと体を動かすことができます。座りっぱなしでいると眠気が襲ってきて集中力の妨げになることがありますが、体を動かして姿勢を変えれば、眠気防止にもなるでしょう。
特にフリーアドレス制や、昨今注目が集まる「ABW(Activity-Based Working)」など、従業員が仕事内容に合わせて働く場所を選べるワークスタイルにおいては、スタンディングデスクは働き方の選択肢を広げるツールとなるでしょう。
社内コミュニケーションの改善
立って仕事をしていると座っている時よりも目線が高くなり、オフィス内を歩いている人と目線が合いやすくなります。そのため、近くを通りかかった同僚や上司が声を掛けやすくなり、コミュニケーションの活性化にもつながると考えられます。
また、チーム内の情報共有や簡単な打ち合わせもスタンディングデスクで行うことで、簡潔さを意識するようになり、ミーティング時間の短縮化や効率化にもつながるでしょう。
スタンディングデスク導入のデメリット
メリットが多い一方で、スタンディングデスクにはどのようなデメリットがあるのでしょうか。あらかじめ導入する前にチェックしておきましょう。
脚・足首が疲れやすい
長時間にわたるスタンディングデスクの使用は、脚全体や足首に負担をかけてしまいます。立ちっぱなしの姿勢を続けていると脚や足首が疲れやすくなりますので、スタンディングデスクのみを使用するのは、身体にとって良いとはいえません。
座りっぱなしと立ちっぱなし、どちらも身体には良くないため、同じ体勢のまま作業をしないことが重要だといえます。
スタンディングチェアを利用して疲労を軽減
たとえば、スタンディングデスク導入の際に、立った状態から少しだけ腰掛けられるような背の高いスタンディングチェアを同時に導入することで、座りっぱなし・立ちっぱなしを防ぐことができます。
こうしたチェアがあると、立ち姿勢と座り姿勢を簡単にスイッチすることができ、スタンディングデスクを長時間使用することも可能になります。
スタンディングデスクの種類・選び方
では、実際に導入を検討する際に知っておきたい、スタンディングデスクの種類や自社に合ったスタンディングデスクの選び方をご紹介します。
高さ固定タイプ
このタイプは、スタンディングデスクとして使用できるように、既に固定された高さで使用します。
他のスタンディングデスクと比べて比較的安価ですが、固定された高さのため、自分に合ったサイズを探すのは難しいかもしれません。
手動式
まずは試験的にスタンディングデスクを導入してみたい場合にオススメなのが、手動で高さを調節できるタイプです。
昇降の手間はかかりますが、電動式よりも低価格でスタンディングデスクを導入できます。低コストで気軽に導入できるため、本当に従業員に使ってもらえるか不安な場合に、試験的に導入することができます。
電動式スタンディングデスク
電動式は先述の2種類よりも値段が上がりますが、コントローラーの昇降ボタンで簡単に高さを調整できて便利です。力を使わずボタンひとつで昇降できるため、非常に楽に使うことができます。最近の電動式スタンディングデスクだと、スマホで上げ下げをしたり、好きな高さを記録しておいて、ワンタッチで高さを調整できたりするものもあります。
卓上タイプ
デスクタイプのものよりも導入ハードルが低いのが、卓上タイプです。既にオフィスや家にあるデスクの上に設置して使用するため、新たなスペースを確保する必要性もありません。また、立ち作業から座り作業に変えたいときもテーブルを移動させるだけ。この手軽さが、卓上タイプが持つ便利な特徴です。
デスクバイクタイプ
オフィスに導入されるほか、在宅勤務が増えたことで自宅でのフィットネスとして導入されることもあるのが、エアロバイクにデスクが付いたデスクバイクタイプ。デスクで仕事をしながら運動ができてしまうため、運動不足の解消になるとともに気軽にフィットネスができます。運動をしながら仕事をすることで、眠気覚ましや脳の活性化にもつながりそうですね。
生産性がアップするワークスタイルを見つけよう
スタンディングデスクを活用することで、じっくり考えたり集中したい時は座って、リフレッシュしたい時や同僚との会話やアイデア交換を活発にしたい時は立つという具合に、仕事の内容によって効率の良い方で業務を行うことができます。
従業員が働きやすく、自由にワークスタイルを選択できる環境をつくるという点で見ても、スタンディングデスクの導入は効果的であると言えます。スタンディングデスクの導入をきっかけに、生産性や健康を意識したオフィス環境へとシフトしていくことを検討してみてはいかがでしょうか。