​2021年オフィスデザインのトレンドは?コロナ禍で変化した企業のニーズ

    目次

    デザイナーズオフィス事業を手がける株式会社ヴィスが、2020年1月から12月までのオフィスデザイン提案実績を分析したほか、同社に在籍するオフィス設計デザイナーを対象にアンケート調査を実施し、48名の回答を集計しました。

    年間1,000件以上のオフィスデザインを提案する同社が予想した、2021年のオフィストレンドを発表します。

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    コロナ禍で働き方やオフィスのあり方が大きく変化した2020年、さらなる変化が求められる2021年に向けて

    『働き方改革』によりオフィスでのフリーアドレス・ABWが進んでいた中、2020年は新型コロナウイルスの影響でテレワークが広がり、働き方の変化が拡大しました。4-5月の緊急事態宣言が解除された後も、テレワークを継続する会社、出社とテレワークを併用する会社など、多様化が進んでいます。

    働き方やオフィスの使い方、デザインへの関心が高まり、社会全体で働き方やオフィスのことを考える1年となりました。

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    データで振り返る2020年のオフィスデザイン

    株式会社ヴィスでオフィスデザインの提案をした1,000件以上のデータから、提案内容、提案ボリュームの推移をまとめました。

    4-6月、移転件数は半分に

    2020年4-6月はオフィスの移転・増床等の相談が減少、計画を進めていた企業も一時的に中止するなどの動きがありました。移転件数は前年(2019年)同期間に比べ半分程度になりました。

    改装・レイアウト変更は1.5倍、広さは1.6倍に

    2020年7月以降、提案件数は3月以前の水準に戻りました。特に改装・レイアウト変更の依頼は1-3月の約150%(7-9月)、提案平均ボリューム(広さ)は1-3月の約160%(10-12月)にまで拡大しました。コロナ禍に対応できるオフィスレイアウトへの変更が増加したことがわかります。

    2020年オフィス業界を表す漢字 『変』

    2020年のオフィスを漢字一字で回答してもらいました。最も多かったのが『変』27%、次が『動』8%で、他には『家』『離』『散』など、コロナ禍におけるオフィスや働き方の“変化”を強く感じさせる内容となりました。

    2020年のオフィスデザインと企業におけるニーズの変化

    オフィスへのニーズが多様化

    企業によりオフィスのニーズ、オフィスのあり方に対する考え方が多様化しました。「この機会に投資し、より魅力ある空間にしたい」という方向性と「テレワークを取り入れ、オフィスを最小・最適化する」という全く逆の方向性と、各企業特徴が分かれたほか、「どのような方向性にするか迷っている、悩んでいる」という企業も多くあります。業種・業態による共通項はありながらも、それぞれの企業における考えが求められるようになりました。

    「社員のためのオフィス」「出社したくなるオフィス」

    特に多かったのが「社員のためのオフィス」という考え方。テレワークが増えた中で、社員が「出社したくなるオフィス」、オフィスに来る意味を感じられる特別な空間にしたいという要望が生まれました。オフィスをなくすのではなく、より社員個人・所属するチームに合わせた働き方や場所の提供を求める企業が増えています。

    可変性重視、コロナ後にも目が向けられる2021年のオフィスデザイン

    2021年のオフィスについて、どのようなデザイン・機能・特徴を持ったオフィスが増えると思うか、またどのようなオフィスを提案していきたいかを自由記述で回答してもらいました。

    『オフィスの存在意義』の明確化、『コミュニケーション』への言及が31%

    オフィスに人が集まることで生まれる価値を企業ごとに明確に表現し、それに応じた働き方ができるオフィスにすることが必要です。

    企業文化を生み、育てる場所としてはもちろん、生産性が上がるシステムの存在、そして注目したいのが『コミュニケーション』というキーワード。自由記述にもかかわらず、全体の31%の回答で言及されました。

    自然にコミュニケーションが生まれる場づくりという考え方は従来からあり、カフェスペースなどを設置する会社も増えていましたが、それだけにとどまらない考え方が必要になってきます。

    「オンラインでのコミュニケーションも増加する中で、ICT機器を使ってストレスのないコミュニケーションを取れる環境づくり」、「コミュニケーションの質の向上を通したビジネスの活性化」「社外との交流促進」など、コミュニケーションを主軸としつつ、それを発展させた空間づくりが進んでいくと考えられます。

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    働く場所の分散化への言及は23%『第三のワークプレイス』としてのシェアオフィス、サテライトオフィスが拡大

    オフィススペースの有効活用が進むと考えられます。

    オフィス、自宅に加えた第三の働く場として、本社以外にサテライトオフィスを持つほか、シェアオフィスの利用、他社オフィスの空いたスペース利用、空きスペースのコワーキング化など分散化、流動化に関する言及が23%の回答でありました。

    人が分散しつつも会社の機能を維持し、社員の帰属意識を高め、文化を醸成し、表現するためには“仕掛け”が必要です。東京以外の郊外や地方にオフィスを構える企業も増えており、場所を問わずブランディング統一や帰属意識向上のためオフィスデザインを求める企業が増えていくと考えられます。

    『フリーアドレス』『ABW』は61%が増加、33%がより発展すると回答。 オフィスレイアウトは『アジャイル』、『フレキシブル』が進む

    フリーアドレス、ABW(Activity Based Working……時間や場所を自分で選ぶ働き方)が以前から拡大、注目されています。

    「2021年、オフィスでのABWはどうなると思うか」という質問に対して、61%が「増えると思う」と回答しました。「違う形になる」という回答が33%ありましたが、「オフィスだけではなく、自宅や他の場所にも広がる」「ただのABWではなく、その企業に合わせた形になる」など、現在の枠にとどまらないという考え方が多勢でした。

    「減ると思う」は6%にとどまり、さらなる拡大、発展が見込まれます。オフィスの中だけではなく、自宅など他の場所も含めた、本来の意味でのABWにアップデートするでしょう。

    オフィス内のスペースとしては、ワークスペースやリフレッシュエリアはよりオープンでフレキシブルに。会議室などの個室は、オンライン会議や1on1などができるサイズやブース型に。固定のスペースではなく、多目的に使えるスペースが増えるでしょう。広いスペースで可変できる空間や家具什器は各メーカーから出されており、その利用が拡大すると考えられます。

    同じデザインではなく、サーベイやデータなど数値を元に企業それぞれの特徴をとらえた生産性の上がるオフィスデザイン、場づくりが進みます。その点では、まだ方向性が固まっていない企業もこの考え方を取り入れることをおすすめします。

    様々な用途で使える家具の使用やサブスクリプションサービスの利用、レイアウト変更前提でのオフィスデザインなど、コロナ後も見据えたオフィスづくり、可変性があるデザインを用い、常に最適解を見つけていく『アジャイル』オフィスが増えていくでしょう。

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    オフィスづくりを通したSDGsへの取り組み。 63%が「増加」と回答

    企業での関心が高まっているSDGsへの取り組み。2021年、SDGsの観点を取り入れたオフィスは増えると思うか?という質問では63%が「増えると思う」と回答しました。

    オフィスの移転や改装という企業にとって大きいイベントを通した取り組みが、SDGs活動のスタートやきっかけとして活用されると予想します。具体的に取り組めるものとして、「目標8.働きがいも経済成長も」「目標12.つくる責任つかう責任」の2つが挙げられます。

    「目標8.働きがいも経済成長も」:働きがいがあり、健康で快適に働けるオフィス空間づくりという面でもSDGsへの取り組みが進んでいくでしょう。良い環境にすることで人が生き生きと働くことができ、それが会社の成長、ひいては社会全体での経済成長にもつながります。

    「目標12.つくる責任つかう責任」:オフィスなどで内装工事をすることで、産業廃棄物が出てしまいます。これを少しでも減らそうとすることがこの取り組みにつながります。建材メーカーでも環境に配慮したマテリアルを開発しており、それらを積極的に使用することや、廃材の使用、移転・改装しても継続して使える素材を使用した「サステナブルオフィス」への関心が高まっています。

    リリース元:【​2021年オフィスデザインのトレンド】コロナ禍で企業のニーズが変化し、働く場所が『分散』|今年は『コミュニケーション』『可変性』が重要に

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